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KANON 終わらない悪夢
41天使の人形の記憶
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 祐一の子供らしい真摯な願いを感じ、少し安心するが、川澄の娘への罰というのが、今の状況なのだと考えると恐ろしかった。
「調べてみましたが、川澄の娘は既に抜け殻。自分の力を魔物として追い払い、自分自身と戦って傷付け合っています」
「はい」
 消耗し尽くすか、使い魔を全て葬った時、自分の命が終わる。すぐに死を与えるより、余程苦しい罰であり、あゆの命が終わって、祐一が放った使い魔が破滅を願った時、この星には終わりがやって来る。
「一弥君の場合、そちらでもお考えのように、佐祐理さんの子供としてお返しするなら比較的簡単でしょう。でも、あの魔物は何よりも月宮の娘さんを優先しています。他の願いは全て後回しにして力を蓄えています、あの子達はその為に生まれたのですから」
 例え佐祐理が一番で無くとも、縁組しておけば「お種」は頂戴でき、祐一さえ願えば、一弥は倉田家に返される。しかしそこで疑問が残った。
「体から離れているのに、どうやって力を蓄えられるのですか?」
「私の娘の名雪に憑依しています。あの子も大きな力を持っていますので、眠るだけで使い魔を維持できますし、娘も全く嫌がっていません。元々、娘を呼びに来た使い魔のようでしたから」
 力の有る者、名雪を目指して走った天使の人形。しかし、その時点では名雪に術は使えず、危機に陥った祐一と同じ速度で走る事すら出来なかった。
「それまでに、祐一君本体に大きな力が付けばいいのですが… もし、あゆさんが亡くなって破滅を願った時、私に防ぐ力はありません。まあ、私の力も災厄を起こす事しかできませんが」
 秋子としても、祐一を止める事はあっても、殺すつもりは無かった。もし滅ぼすとすれば、祐一の願い通り迷わず人間を死滅させる。その口元と心の声は、間違い無くそう言っていた。
「では、私共に何かできる事はありませんでしょうか?」
 過去の倉田家のように、人間の世界を守るため、妖狐の要求を聞く佐祐理の母。今は倉田家の事より、せめて縁のできた佐祐理だけでも生きて行ける道を残しておくのが先決と思えた。
「では姉を探して頂けますか? 上手く逃げているようなので、「私達」の網には掛かって来ません。そちらから正式な方法で探して見て下さい」
 妖狐のネットワークから隠れている祐一の母、しかし、倉田家なら妖狐の術ではなく、預金の引き出し先などから発見できるかも知れない。 
「分かりました、全力で探させて頂きます」
「それと、月宮の家にも言いましたが、お身内に月宮の子を呪った者がいれば差し出して下さい」
「は?」
 守られているはずの子供を呪った犯人。それは本当に存在するのか図りかねたので、「いなくても差し出せ」と言う意味なのかと思えたが、秋子の表情からも存在するのだと感じた。
「確かに承りました。娘の佐祐理と一弥の霊の件はよろ
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