3,カナとギルダーツ
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ツもスカーの事を話していた。
「爺さん、スカーは俺と同格だ、あんな小さな体で俺と張り合える。全くスゲェな!」
「うむ、ようやったのぉ」
ギルダーツは先の戦いで大きな傷こそ負わなかったものの苦戦を強いられていた、まだ十の子供に押されていた。勝敗を決したのは実戦経験の差だろう。魔力に関してはスカーの方が上だった。
「ただよ〜戦い方がどうも人を殺る時のそれに近いんだよなぁ」
「そうじゃの‥‥あやつの事は今度ゆっくり話すわい」
「訳ありか?」
マカロフは黙ってうなずいた。ギルダーツも薄々普通の子供では無い事は解っていた。だが
「まぁでも魔力も力も申し分ねぇな、次のs級試験は此奴で決まりっても過言じゃねぇ」
それを差し引いてもギルダーツと同等の力はある、s級魔導士としては申し分は無い。
「うむ、そうじゃろうな」
次のS級魔導士試験はスカーを選ぶらしい事を言い、ギルダーツは荷物を持つ。
「んじゃ俺はそろそろ行くぞ、またな」
「あっ、ギルダーツ!」
カナは呼び止めた。其処から後は一言いえば終わる、さぁ今こそいうのだ。
「えっと」
「?」
喉元まで出かけた言葉が出ない、カナは苦笑いを浮かべ、言う。
「‥‥お仕事、頑張って」
「おう、ありがとな!」
ギルダーツは手を振りながら仕事へと向かって行った
目が覚めると医務室のベットの上に居た。頭がまだ痛む。
大抵の痛みは耐えれるが残る痛みには限度がある。それが先の攻撃だ。
「‥‥強かった」
先程の戦いが脳裏を過る、最後の一撃は完璧だった、あの体制からの一撃は躱せる訳が無い。そう考えて居たが詰めが甘かった様だ。
「魔法の使い方次第で幾らでも変わるな」
自らの魔法で地面を砕き、ほんの僅かな差を生み出した。あの刹那の瞬間にその行動が取れる、格の違いとでも言おうか。
「面白い」
少なくとも魔力量では此方が上だった。足らないのは経験と魔法の扱い方だ。これらを鍛錬すればいつか届く、そう強く確信していた。
さて、今後の課題も決まった所で先程から扉の隙間から見える少女に声を掛けよう。
「‥‥カナ、居るんだろ?」
「何で解るの?」
扉を少し開け、ひょっと顔を出しながらカナは問う。そんな事は如何でも良いと言いつつカナに成果を聞いた。
「それで、如何だった? 話せたか?」
カナは申し訳なさそう顔で首を横に振る。
「‥‥そうか、次がある」
「言えるかな?」
「言わなければきっと後悔する」
カナはそれでも、ギルダーツは‥‥と顔を俯ける。スカーはぽつりと呟いた。
「‥‥俺の親はもう死んでる」
「え?」
飲み物を飲みながら淡々と話す。
「目の前で死んだよ、死んだら‥‥何も伝えれない」
初めて知らされるスカーの事。
このギルドには様々な事情を抱えた人物が多い
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