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FAIRY TAIL~無表情な妖精
3,カナとギルダーツ
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そう願いを込めるがスカーは体制が揺らいだ程度で意識はしっかりあった。
然しそれがいけなかった、身体が揺らいだ瞬間、スカーの魔力は蛇口から出る水の様に溢れ出て来た。今まで調整して出して居たかのように。
「くッ!」
余りの魔力に後ろに下がる、反射だろうか、スカーは瞬時にギルダーツ目掛けて突っ込む。しかし脳の揺れが収まって居ない状態で動いたため、眼前で足がもつれ、魔力の籠った拳は深々と地面に突き刺さった。そして地面は悲鳴にも似た地鳴りと共に罅を表す。
先程の魔力とは違った、確実に此方を仕留めると言う気迫が伝わってくる一撃。
「ッ!?」
思わず後ろに下がった。その際に石に当たり、体勢が崩れた。
「なっ!?」
「好機」
スカーは詰め寄り、ギルダーツの顎目掛けて跳ぶ。右腕に魔力を籠め、振り上げた。
「取った」
まさに好機だった。体勢を崩した状態からの渾身の一撃、躱しようがない。そのはずだった。
「ッと!」
ギルダーツの顎目掛けて振り上げた拳は宙を大きく切り、魔力の波動が空へと昇る。
(何故、躱しきれた)
表情にこそ出ないがスカーは驚いて居た、何故、どうして? どうやって?
だが答えは直ぐに出た、振り上げた拳、それを眺めていると死角から魔力を感じる。
(しまった)
相手はこちらの攻撃を躱した、ならば攻撃に転じるのは至極当然、躱された事に戸惑い、その行動に気付くのが遅れた。防御しようと構えた時にはスカーは宙を舞っていた。ギルドよりも高くだ。その時、彼は見た。
(あぁ成る程)
攻撃の際、バランスを崩した、その時を狙って攻撃した。そんな状態で攻撃を躱す? 不可能と考える。しかしギルダーツの足元はひび割れていた。
躱せた答えは魔法だ。粉砕の魔法で地面を砕いて当たる位置より自分を低くした。上体を反らせられない、言い換えればこれ以上後ろには躱せないと言う事、跳んで避けれるかもしれないが魔法を放出して放つスカーの攻撃は単に数歩の跳躍如きでは躱せない。だからギルダーツはスカーの攻撃角度を確認し、真下に逃げた。魔法で攻撃が当たるであろう場所から地面を砕き、高低差を利用し躱す、そして躱した後は空中で体勢の取れない子供に向かって、踏み出し殴れば死角からの強力な一撃を与えられる。
攻撃は防御しようとしたスカーの腕をするりと抜け、顎を命中、そのまま魔力と腕力で空へと吹っ飛ばす。
(そうか、魔法か)
そう思いながら彼は最高地点まで上がり、重力に引っ張られ、地面に向けて真っ逆さまに落ちた。
体全身を強く地面に叩き付け、其処で意識が途切れてしまった。





ギルダーツは傷を治療して仕事の支度をしていた。
スカーを医務室に運び終えた後、見物客だったメンバーは酒を飲みながら先程の戦いを熱く語っていた。その光景を見ながらマスターとギルダー
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