3,カナとギルダーツ
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を把握しきれていない事が表情で察せる。
その中で状況を把握できたものは二人、吹っ飛ばされた本人のギルダーツ、そしてマカロフだ。
(俺が飛んだのか? スゲェ馬鹿力!)
(力だけで吹っ飛ばしたじゃと!?)
大人と子供、力の差など明白だ、なのだがスカーはそれを軽々しく上回った。
「ふっ!」
跳躍し、上から向かってくる。
「面白れぇ!」
スカーに手をと向ける。それと同時に網上に魔法が広がり、襲い掛かる。
「いかん!」
マスターマカロフは叫ぶ、ギルダーツの魔法は砕く魔法。
空中に居るスカーは魔法を避ける事は不可能、しかし既に遅い。
網上に広がりスカーへと迫る。
スカーは構えていた腕を魔法に向け突き出した。その刹那に空間にゆがみが出来る。
強い魔力同士の衝突で大気は震え出す。
そしてギルダーツは目の当たりにした。
「まじか!」
自分の魔法が徐々に押され始める事を。それは砕ききれない程の膨大な魔力だと言う事。
「うおぉぉぉぉ!!??」
魔法を解いて、横に跳んだ。寸前の所で躱す事に成功した。自分が立って居た場所はぼっくりとへこみが出来き、其処にスカーが傷一つなくそこに居る事を目にしてギルダーツは冷や汗を流す。
「やべぇな」
感傷にし浸っている暇はない、スカー直ぐに攻めて来た。体制を建て直し、応戦する。
観戦していたギルドのメンバーは息を飲む。ギルダーツは紛れも無く最強の男だ。その男に子供が食い付いて居る。それも力技で。
ギルダーツのクラッシュの魔法を真っ向から弾く。砕けない程の魔力量でぶつかる。理には適っている
然しそれを実行できる者は居ない、それだけの魔力の持ち主は一握りしかいないから。だがスカーはそれを平然と遣って退ける。まさかと言う声すら上がった。
「ギルダーツが押されてる?」
「まさか、スカーの奴、こんままギルダーツを倒すじゃねぇか?」
「ばか! スカーはまだ子供だぞ、ギルダーツが手を抜いてるだけだよ」
様々な意見が飛び交う、ギルダーツはそれを聞いていた。
(手を抜いてるだって? 冗談じゃねぇぞ、抜いたらこっちが遣られる)
押されているの事実、魔力の量はスカーの方が圧倒的上だ、こんな小さな体の何処にそれだけの魔力があるのか聞きたいほどに。
唯一ギルダーツは格闘戦は上回っている。強大な魔力を纏った一撃だが当たらなければ意味は無い、攻撃を捌き、距離を取ろうとするが直ぐに詰めよる。
(魔法が効かねぇ以上、遣る事は一つ)
ギルダーツはスカーの攻撃を捌き、距離を取ろうと一歩下がる。それをさせまいとすぐさま詰め寄ったスカーのこめかみを殴った。
ギルダーツの取った行動は物理攻撃、それも急所を狙った攻撃だ。
遣り過ぎただと言われればそれまでだがそうでもしなければ倒しきる自信が無い。
(これで倒れればいいんだが)
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