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異伝 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(ヴァレンシュタイン伝)
黒色槍騎兵 生成秘話
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?」
ハウプト中将は微笑を浮かべながら答える。確かに有能だ。昨日一日の仕事振りでも十分にわかる。しかし……。

「確かに有能です。しかし戦場に連れて行くわけには……、第一帝国では女性兵は後方支援だけのはずです」
「卿の言うとおりだ、しかしこの人事が撤回される事は無い」

ハウプト中将は何処か面白がっているような表情で話した。はっきり言って面白くなかった。馬鹿にされて堪るか、そんな気持ちだった。

「どういうことです?」
「この人事は、私個人の判断で行なったものではない、そういうことだ」
「?」

どういうことだ? 人事局長の判断ではない?
「この人事は軍務尚書の意向を受けているのだよ」
「軍務尚書?」

困惑する俺に、他言無用だといって中将が話し始めたのは一寸信じられない内容だった。ヴァレンシュタインは、この半月の間に二度命を狙われていた。

その内一度は、官舎を爆破されている。彼女の留守中に官舎にゼッフル粒子を仕掛けようとして失敗したらしい。当然侵入者は爆死した。問題は侵入者がどうやって官舎に入ったかだった。

官舎のドアは電子ロックになっている。解除b何処から入手したかだが当初、調査をした憲兵隊はヴァレンシュタインから何らかの方法で解除b聞き出したのだろうと考えていた。

しかし、ドアのアクセスログを確認した憲兵隊は呆然とした。アクセスログに有ったのはマスターbセった。電子ロックには解除bニマスターbェある。解除bヘ利用者に教えられ、利用者が番号を変更する事も可能だ。

しかしマスターbヘ変える事は出来ない。そしてこれは利用者に教えられることも無い。兵站統括部の福利厚生課で厳重に保管され外部に教えられることは無い……。

それが漏れた。容易ならざる事だ。事態を重視した憲兵隊は彼女が何を調べているのかに改めて興味を持った。

「彼女は二つのことを調べていた」
「二つですか」
中将は軽く頷いた。
「一つは軍内部にいるフェザーンの協力者についてだ」

軍内部にいるフェザーンの協力者? つまりそいつが兵站統括部の福利厚生課に居るという事か?

「卿が何を考えたか判る、残念だがはずれだ」
「……」
「彼女が調べていた協力者は技術部に居る。間違いなくフェザーンに情報を流しているそうだ」

「では軍内部に二人、フェザーンの協力者が居ると?」
「……彼女が調べていたもう一つの件は地球教だった」
「地球教?」

俺にはそれが何なのかよくわからなかった。いや地球教は判っている。しかし何故調べる必要が有るのだ?

ハウプト中将が俺の疑問に答えてくれた。地球教徒は帝国にも反乱軍にも居る。彼らが国に囚われず、宗教を軸としてネットワークを築いているのではないか?

中継点であるフェ
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