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KANON 終わらない悪夢
40事件後
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自分に言い聞かせる。
「違うな、あゆちゃんは今でも病院で死にかけてる、君が思い出さないから、一人で苦しんで泣いているんだ」
「ちがう、お姉ちゃんの歌で、もう怖くない、苦しくないんだっ」
「そうだね、佐祐理さんの歌で、あゆちゃんは救われた。でも今は舞に呪われている、「あゆなんて死ねばいい」と思ってるあいつに」
 そこで血に濡れた両手で同化されそうになり、慌てて身を引く。
「ガアアアアッ!」
「さあ、一緒に来い、僕達は『あゆちゃん』のために生まれた、だからまだ目を覚まさない『あゆちゃん』の前にいないと駄目なんだ」
「でも、お姉ちゃんが」
 一人で置き去りにしてしまった姉のような少女を思い、力を使ってその手を跳ね飛ばそうとする。
「佐祐理さんは死にはしない、それに君はもう倉田家まで辿り着けない」
 天使の人形も、この時点では佐祐理や美汐が、どれだけ祐一に依存しているか分からなかった。後になって、慌てて手首の傷を塞ぐはめになるとは、思ってもいなかった
「さあ言え、君はどこに行くんだ?」
「あ… ああ……」
「このまま佐祐理さんの所へ行って消えるつもりか? それとも誰かが守らないと舞に呪い殺される『あゆちゃん』の所か? どっちだっ」
『ぼくは、お姉ちゃんの所へ行くっ!』
「仕方ないな、消える前に同化してやる、そうすればまた佐祐理さんにも会わせてあげるよ。いつか力が付けば一弥も返してあげよう」
「ほんとっ?」
 魔物の体に浮かぶ一弥の顔に、一瞬笑顔が戻る。
「ああ、佐祐理さんには世話になったし、あの歌が消えれば、舞の呪いがあゆちゃんに届いてしまう」
「でも、どうして君だけずっと消えないの?」
「名雪の力は無限だからね、眠るだけで僕達を維持できる」
 秋子を呼びに行った天使の人形、それは、名雪の祐一だったのかも知れない。もしあの時、名雪が祐一の速さに付いて行けて、癒しの力を使って、あゆを救う事が出来てさえいれば全ては解決していた。
「あの夢の中に、あゆちゃんもいるんだ。さあ、早くしないと永遠に佐祐理さんに会えなくなる」
「うん…」
 キイイイインッ
 観念すると、全身が光り始めた魔物。
「それでいい、佐祐理さんに僕達を維持するだけの力は無い」
 こうして佐祐理の祐一と一弥も、天使の人形に取り込まれ、祐一の力の大半が失われた。
 小さな翼を広げ、倉田家へ飛ぶ天使の人形。
「さあ、佐祐理さんにお別れを言いに行こう」

 また暗闇の中で、一弥を待っている佐祐理。自分の部屋は修理中なので、客間と元の部屋を何度も行き来して、一弥が来ていないか確かめていた。
『お姉ちゃん』
「一弥っ?」
 一弥はここ数日現れなかったので、母の仕打ちを恐れ、もう来てくれないかと心配していたが、今日はその姿を見て驚く。
 いつものおぼ
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