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KANON 終わらない悪夢
39座古
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中で死んだ。政略結婚でマザコンの化け物の家に行って、嫁いびりが趣味のババアにいびり倒され、マザコンエネme夫に逆らって家を出たら事故を装って殺された。
 七回ほど生まれ変わって報国してみたが、今の人生が一番いいじゃないか、仲間とも一緒で危ない橋を渡りながらもワイワイやって楽しい、それに純血の妖狐との交接により与えられる快楽は別格だ。

 すでに神か魔の領域に踏み込んでいる私の思考だが、現状でこの知識を手に入れるのは不可能なはずである。
 ラプラスの鬼と呼ばれる、全ての物理現象を計算して予測する仮想の怪物があるが、現在の処理能力はそこまで到達していない。
 人類の学問の歴史をトレースして、自ら解を求め証明して行く事も出来たが、この短時間ではヒトゲノムや、ましてや妖狐である彼のゲノムや酵素の活動まで探求できるはずがない。
 そう、私は今、大いなる宇宙の意識、アカシックレコードと呼ばれる宇宙の記憶に接続されている。すでに時間も空間も意味を成さない。私は宇宙でもあり、宇宙が私なのだから。
 人間の脳の神経配列は銀河団の構成と似ていると言われる、そして宇宙の星星はこの宇宙の外にある何かに向かい、一定方向に引き寄せられている。その場所を仮に「彼岸」と呼ぼう。それは単に巨大なブラックホールなのか、物理法則すら違う別の宇宙なのか、現在の私にも分からない。私もその場所へと歩んで行こう。人間も神と呼ばれる存在も、この深海にも似たヒッグス粒子の濃厚な海の中で一歩づつ進化して、一個の卵であり生命のゆりかご、ミトコンドリアのような一つの閉じた楽園を構成していつか四次元世界へと旅立つ、そこでまた寄生体を見付けて宿り、新たな世界で目覚める。この爆発を外から観測すれば一瞬の出来事だろう。だがその中心にいる私達は、遅々として進まない膨張の中で焼かれ、悶え苦しみ、息絶えては生まれる。これは真理か? 
 太陽系とは閉じた三次元であり四次元球と呼ばれる存在だ。人類に把握できる三次元と時間軸によって制限され限定された四次元世界は、まるで天動説の時代にあった地図のようだ。世界には果てがあり、海水が流れ落ち、それを巨大な亀や象が支えている。中心には太陽があって神々がおわす天界が有る、ワインボトルの底で対称性が破れ、半分スピンが掛かった冗談のような世界観。ああ、この愚かな認識がもどかしい、だがそれこそが快楽でもあり決定していない波動を観測し、次の世界を目指すまでの愉悦なのだ。そう、神はサイコロを振る。これは生命の爆発の中で行われるゲーム、私達はその小さな駒。

「おい、大丈夫か? 顔色が悪いぞ? もう横になれ」
「ああ、心配すんな、下に行ってケーキの残りでも盗み食いしようぜ」
 同僚が心配して声を掛けられたが問題無い、しかし現在の肉体と、ブドウ糖の消費量が増えた脳を維持し、ある程度
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