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KANON 終わらない悪夢
39座古
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受けた当事者によるレポート。 記述者 相沢苺。

 私の中の精霊も目を覚ました。当人による証言では、川澄舞の胴体に当たる部分の使い魔で、属性は木、性格は嫉妬の心を持つらしい。
 能力的には草木と接続して思考や記憶を共有し、粘菌や細菌とも接続してネットワークを作り、人類には知り得ない、知ってはならない情報にもアクセスできる。
 私も自分が知るはずのない情報を与えられ困惑したが、これからはそれが普通になるようだ。
 尚、この使い魔達は精霊になる際、特別な契約をしていて通常の使い魔のように人の命や魂を食わない。
 私の魂は現在、通常の場所から魔力回路に移転させられ、その間に人間の霊体を精霊に変え、体を強化し、使い魔と同等の腕力や体力を与えられる予定だ。

 私は再び草木と同じネットワークに接続され、自分が知るはずのない情報が流れ込んでくる。まるで視界を覆っていた霧が晴れて行くように、思考も記憶も次第に明晰になって行く。
 人間は一度見た物を、必ずどこかに記憶していると言われるが、私も今それを体験している。子供の頃に見て、頭から排除していたはずの記憶が全て閲覧可能になり、必要ないと忘れたはずの知識が蘇って来る。体の感覚もどんどん鋭敏になって、第六感と呼ばれるスーパーセンスや、退化して人間が失った感覚も、これから人類が進化して得られるであろう感覚をも取得して行った。

 妹はどうなっているだろうか? 車で三時間の距離にいる妹を検索し探し当てた。まだ息をしているが苦しそうだ。血液中の赤血球が不足している、妖狐の家系にでる特徴的な症状、それを多少なりとも改善させてやろう。魔力回路をスタートさせてエネルギー量を改善、スタートしない、草木や細菌からエネルギーを借りて再始動、始動した。エネルギー伝達を血液から変更し、純血の妖狐や魔力源を持っている人物と同じように、妖力で直接伝える、成功した。これで造血すれば症状は改善するだろう。病院での妹の友人で同じ症状の者にも同じ処置をしてやる。
 まあ土曜には相沢様と面会し、直接力を頂ける。妹も相沢様に選ばれ、巫女や嫁の一人となるなら、不老不死も夢ではないだろう。

 現在の私は自己の喪失に因るエンドロフィンの欠乏状態にあり、思考の継続と肉体の制御が困難な状況にあったが、それらの操作も簡単な事へと変わって行く。
 さらに相沢様との結合によりサンプリングされた遺伝子データと、現生人類である私のデータの比較が行われ、欠損した部分や、破損して失われたX染色体やY染色体のデータが与えれる。
受け止めたスペルマも私の体の細胞に到着し、卵子に突き立つように細胞核に入り、愚かな人類に神代の時代の力が与えられ、死なない体、死ねない呪いが刻まれる。
 神話にある「一日千人の人間を呪い殺そう」と言われた呪いから開放され、別の
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