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流星のロックマン STARDUST BEGINS
精神の奥底
65 自責と自責
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「あぁ……ちょっと」

彩斗には日記が何かを自分に語ろうとしているような気がした。
すぐに日記を開き、それを探す。
この日記はミヤにとって普通の日記ではないことを直感で感じ取っていた。
日常を刻む以外の役割を持っている、それはすぐに確信へと変わる。
内容には目もくれず、日記帳そのものを調べること数秒、裏表紙に不自然な部分を見つけた。

「これは?」
「え?何?」
「ほらここ。この中に何か四角いものが入って……」

七海に説明しようとした彩斗の動きが再び固まった。
しかし今度は意識がはっきりしている。
何かを感じ取ったのだ。
強い負の感情、身体中に突き刺さるような悪意。
それも1つや2つではない上、全て彩斗に向けられたものだ。
彩斗の第六感を担うシンクロがそれを捉えて警鐘を鳴らす。
こうしている間にも刻一刻と自分たちを飲み込もうと動き始めていた。

「どうしたの?」
「……ここを出よう」
「え?」
「いいから!」

彩斗は七海の腕を掴み、移動を開始する。
人混み、それも彩斗と七海より背の高い大人が多くいる人混みに紛れた。
すると彩斗にはその悪意が自分たちを必死になって探そうとしているを感じた。
それも自分たちが行動を始めた瞬間、やはり思い過ごしではない。
彩斗は外までのルートを模索しつつ、自分たちに悪意を向ける者たちの正体を考え始める。

「いきなり何!?どうしちゃったの、沢城くん!?」
「大声を出すな!僕らを狙っている奴らがいる」
「え!?」
「落ち着いて。万が一離れ離れになっても、できるだけ人混みに紛れて移動するんだ」
「でも…誰が?」
「分からない。だけど1人や2人じゃない」
「もしかして今朝、沢城くんが戦ってた人たちじゃ?」
「可能性はあるね。でも奴らならこんな衆人環視の場所で狙ってこない」
「どうするの?」
「外に出て、タクシーかバスを探す。君は自分のことを第一に考えて行動するんだ。いいね?」
「それは君の方こそ!さっき言ったばっかりでしょ」

確かに七海の言う通り、Valkyrieの可能性も捨てきれない。
だがValkyrieは表向きはPMCを装っている以上、こんな昼間からニホンを代表する都市の大型ショッピングモールで騒ぎを起こすとは考えにくい。
そして、もし紺碧の闇だったとすればイマイチ筋が通らない。
要求を突っぱねたはずの彩斗にメモリーカードという形で何らかの施しを与えてきた。
まだ利用するつもりでいるのだ。
扱いには多少困っているようだが、ディーラーを潰す貴重なカードである彩斗を自ら危険に晒すようなことはしないだろう。
それに彼らもValkyrie同様、このような衆人環視の場所で直接的な行動を起こすはずがない。

「誰なんだ?」


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