2,妖精の尻尾
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ギルドの中でどんっと座っている老人が居た。彼の名はマカロフ・ドレアー、妖精の尻尾のマスターである。彼は今日もどんちゃん騒ぎで騒いでいる家族を眺め、笑って居た。その横には今日、ギルドに入ったカナ・アルベローナ、六歳が居た。
「どうじゃ、ギルドは楽しそうじゃろ?」
「うん、とっても楽しそう」
そうじゃろと答えながら酒を飲もうとした時だ。扉が突然吹っ飛んだ。
「な、なんじゃ!?」
扉の先を見ると一人の少年が立っていた。
彼は軽いノックのつもりだった。だが扉は吹っ飛び、数人を巻き込みながら壁に叩き付けられる。騒がしい雰囲気には一気になくなり、物静かになった。
「‥‥すまない、入る」
一応の礼儀として入室の言葉を言い、真っ直ぐに歩みを進めた。目の前に見える小さな老人に向かって。傍らには小さな少女が居たが気にせずに彼に話し掛ける。
「マスター、マカロフですか?」
「う、うむ、そうじゃが?」
突然の事に少し彼を警戒しているのが解る。そんな事を気にせず手に持っている手紙をマカロフに差し出した。マカロフはそれを受け取り、中身を見る。
「こ、これは!?」
手紙の内容を見て驚いて居る、何度も彼と手紙を交互に見ている。
「是非とも入りたいのですが‥‥試験は何時頃に?」
周りは彼の言葉で「なんだ新人か」や「随分小さいな」と笑って、先程の様に騒ぎ出した。試験もしていないのに。もう合格して一員になったかのような騒ぎ方だ。そんな中でマカロフだけは真っ直ぐ彼を見ていた。手紙の内容は彼に関しての物。半生と家族の事、そして実力にその力をまだ上手く扱えない事。事細かに書かれていた。
(辛い思いをしているのはこの手紙から十分解る、ギルドに居れるだけの理由も十二分だ。だがあのイシュガルの四天王に認めらるほどの実力如何なるものか気にもなる)
マカロフは考えに考えて一つの結論を出す。
「すまん‥‥えぇ〜と御主を何と呼べばよいかの?」
「好きに呼んでいい」
「いや、こう〜名前みたいなのを教えてくれんか?」
彼は少し考え込んで答えた。
「スカー・フォール、名前か解らないけど、割と気に入って居る」
「そうか、ではスカーよ、入りたいとゆう意思があるのなら拒まん。じゃが」
マカロフはスカーを指差し、言う。
「貴様の実力、如何なるものか、見せて貰うぞ」
辺りが騒めく。彼は構わないと言ってマカロフと共に裏へと向かった。
裏手に出ると辺り一面海だった。
そこでマカロフはこう切り出す。
「手紙ではおぬしはオーソドックスな魔法しか使えないと書いてあったじゃがその威力は凄まじいともある、それを見せて欲しい」
「それだけ?」
「うむ、手加減不要でよいぞ」
彼はそれを聞くと海へと向かって飛んだ。どぼんと音を立て、水底と潜って
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