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KANON 終わらない悪夢
38祐一と天使の人形、究極合体合身ゴー
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棄で結局秋子に育てられるなら、最初から秋子の子供として産まれたいと思った。

(そうは行かないよ、あゆちゃんはもうすぐ復活する。この腐った世の中を浄化する天使になるんだ)
 風呂場に天使の人形が現れ、あゆの霊体や魂の綱引きになった。
『よう、俺、こうやって繋がったのも久しぶりだな』
(ああ、兄弟、僕たちは外に出てるのに、名雪の奴が引き千切って、お前だけ助けたんだ。使い魔なのに十歳でホームレス、行く所も無くなったから、名雪の中に間借りして生きて来た、他人の命食って生きるぐらい許してくれよ)
『そうだな、酷いサバイバル生活だ、風呂にでも入って、飯も食ってゆっくりしろよ、話はそれからだ』
(ああ)
 綱引きをやめ、掛かり湯などしてから体も洗う天使の人形。少年漫画のように血みどろのバトルをして、暴力で捻じ伏せた方が実権を握る方法もあったが、話せば分かる相手なので、メンヘラリスカ女のように自分を切り刻む必要も無かった。
「ゆうくん?」
(そうだよ、ゆうくんは僕の中にいる使い魔の一人だ。君のお父さんを目指して走って、力尽きた僕だよ)
「うん、うん、そうだね、ゆうくんだ」
 天使の人形が動く度、遅れて動く影の中に、懐かしい少年の姿を見て感激する美汐。
 これでもう歯向かう気持ちなど一切無くし「僕は人類を滅ぼすよ」と言われても止める気など起こらず、従順に従うだけになった。
『なあ、爆乳好き、そろそろ俺の体に帰って来るか?』
(ああ、貧乳好き、昼間の寝床に使わせてもらうよ、夜は自由に外出させてもらう、いいね?)
 趣味と嗜好は違ったが、投票数が十対一なので、今後爆乳もイケル口になる祐一。色々なリンクが再開し、近寄ったことで欲しい情報が流れ込んで来た。
「え? ゆうくんの使い魔って十体もいるの?」
『こうやって手を伸ばして、指の中身を全部飛ばしたんだ。だから舞みたいに感情は無くさなかったし、力も全部無くした訳じゃない。魔力と記憶は無くしたけど、大事なものは無くさなかったし、大事なものも増えた』
 そう言って抱き締められ、喜びに満たされる美汐。もう祐一がどちらに行くにしてもそれに従い、共に歩むことだけを考えていた。
『さあ、俺もなくした記憶を取り戻したい、力があるんならそれもくれ』
(じゃあ地獄を見せてやるよ、後悔するな。僕が帰ったら秋子さんも満足させてやれよ、「丘に帰るための力」を返してやるんだ)
『たっぷり中に出してやるよ』
「もうっ、ゆうくんの浮気者、許さないんだからっ」
 一人次元の違う会話をする美汐だが、祐一から今回の帰郷は、母親から秋子売り渡され、失った力を返すために戻ったのだと、悲しい声でも伝えられた。
(さて、久しぶりの自分の体だ、ゆっくりさせてもらうよ)
『ああ』
 手早く体と頭を洗い終え、湯船に入った天使の
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