「トモダチっぽい・下編」(完結編)
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私が守ってあげなくちゃ。
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マイ「艦これ」(短編)
「トモダチっぽい・下編」(完結編)
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私が初対面の人の前で服を脱ぐなんて今までの私には考えられないことだったけど。夕立ちゃんの前では自然に服を脱げた。
でも彼女は傷が痛むのか時々、顔をしかめている。あまりにも痛々しい。
「大丈夫?」
思わず私は彼女に声をかけて、お風呂に入るの手伝ってあげた。
「ありがとう……」
何となく無理に笑顔を作っている感じ。
夕立ちゃんは美人なだけでなくスタイルも抜群だ。萌えキャラだから当然かな。兄や父親が好きなのも分かる。オタクの理想像だ。
「大丈夫? 身体痛む?」
「ううん……いつものことだから」
微笑む彼女。そう、彼女は単なるゲームデータなのだ。
そうは言っても目の前に居るのは紛れもない実像で存在もリアルだ。
そんな彼女たちを私は平気で轟沈させていたと思うと、ちょっと複雑な思いだ。
「背中流してあげようか」
「ありがとう」
私は、お風呂場で夕立ちゃんのアザだらけで痛々しい背中から痛みそうな部分を慎重に避けながら洗ってあげた。
「アケミちゃん、背中流すの上手だね」
「そう?」
姉が居ない私には誰かの背中を流した経験はほとんど無い。そんなに上手いのかな?
「夕立ちゃんは、やっぱり他の艦娘と背中流したりするの?」
「うん、するっぽい」
「へえ」
何だかリアルだなあ。ゲームの世界でも艦娘が居て何人かで、お風呂にも入るんだ。
それから私は立ち上がって彼女の背中にソッとお湯を流してあげた。
「もう湯船に入って良いよ……だけど傷口とか大丈夫?」
「多分、大丈夫っぽい」
夕立ちゃんは軽く手を入れて湯加減を見たあと「お先に」と言いながら湯船に入った。
湯船に浸かった夕立ちゃんは声を出した。
「はぁ……」
でも安堵した雰囲気だ。
「なんか本当に疲れている感じだね」
私が言うと彼女は苦笑した。
「うん。毎日、毎日、闘ってばかりで……」
そこまで言った彼女はハッとしたように慌てて言い直す。
「でもアケミのこと全然、恨んでないっぽいから!」
夕立ちゃんは湯船の縁に手をかけ、アゴを乗せながら私の顔を見る。その仕草がまるで子犬のようで、とても可愛らしい。
「大丈夫だよ、ありがとう……私も夕立ちゃんにお礼が言いたいくらいだから」
私は応えた。
「でも普通のお風呂も……いい感じっぽい」
そう言いながら夕立ちゃんは、とても安心した表情になっている。それを見て私もホッとした。
今、この世界にいる限り彼女は安全な
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