二日目 馬鈴薯の嵐、巻き起こる旋風
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を全部食べて貰えた。
作った側、調理した側からすれば嬉しい事だろう。
だが、泣くほど喜ばしい事とは思えなかった。
「はい……とても。
とても嬉しいです」
────解らない。
謎は深まるばかりだ。
あの女の子は何者なのだろう?
ロズっちの友人の娘ってこと以外は何も解っていない。
ラムの言葉を思い出す。
午後になれば分かるわよ。
さっきまで忙しくて聞けなかったけど今なら聞いてもいいよな。
「なぁ、ラム」
「ふんっだ」
可愛らしい怒り方だ。
どうやら先程よりは機嫌はいいらしい。
さっきまで話し掛けても無視だからな。話し掛けて反応してくれるだけ随分マシになった。
「午後になれば分かってるって言ってたじゃん?
そろそろ教えてくれても……」
「え、お姉様。
まだスバル君に伝えて無かったのですか?」
「そうなんだよ。
なんかさっきまで機嫌悪くてな口すら聞いてくれなかったんだ」
ホント困ったよ。
何が悪いって俺が悪いらしいけど俺は何をしたのか解らないってのが一番の難問だ。
俺はラムに対して怒らせる事をしました。さて、なんでしょう?
ラムはその答えを知っているだろうけど俺には解らないよ。
「レム。
ちょっとこっちに」
ひょいひょいっとラムはレムを誘う。それに釣られレムは「なんでしょう」とレムはラムの元まで近付くと。
「ゴニョゴニョ。
ゴニョゴニョ、ゴニョゴニョ」
ラムはレムの耳に手を当てこしょこしょ話を始めた。
「フムフム」
「で、」
「なるほどなるほど」
「そういう事よ」
「解りました……。
スバル君、すみません。
私、今回はお姉様を味方します」
「はい?」
「そういう事よ」
「いや、どういう事!?」
全く理解出来ないんですけど?
「ごめんなさい、スバル君。
私は解っています。スバル君が悪気があってそんな事をしたなんてありえませんから」
「お、おう。なんかありがと……って違う! 」
どういうこっちゃ?
俺が悪気があってそんな事……?
言葉からするに俺は悪気はないけど悪い事をしたって事は理解したけど。
思い返す、ラムの態度が変わった時点、ラムが怒り始めたと感じ始めた頃を。
────やっぱり、駄目だ。
思い返しても結論は出ない。
やっぱり俺には悪い事をした、という認識が無かった。
いや、別に善悪の区別が解らない人間じゃないぞ俺。
本当に解らないのだ。
俺が俺自身が悪い事をしたって事が。
怒ってる本人に聞けれ
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