二日目 馬鈴薯の嵐、巻き起こる旋風
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て破壊された結界は張り直されているので雨の影響は少なく、屋敷周辺の空はそれほどてもない。
「……」
「……」
「……」
「……」
二人の会話は皆無だった。
何を話そう……雷祈は色々と話題の種を考えるが、それを口に出せずにいて。ラムはただ、雷祈を見続けられればそれでいいと思っていた。
ただ、時間だけが過ぎていく。
「なに、あの空気……近寄りにくいんですけど」
なんで二人とも無口なんだよ?
少しは会話してくれよ、近付きにくいだろうが。
「レムさん、レムさん。
貴女ならこの状況、どうなさいます?」
「そうですね、普段のスバル君みたいに「よっ」と話し掛けるのはどうでしょう」
「いやはや、いやはや。
流石にあの空気の中を普段通りのテンションで行くほど俺はコミュ力高くないぜ?」
どちらかと言えば俺は根暗な方だしな。
開いた扉の隙間から、無口なラムと空を眺めるライキを覗き見して出るタイミングを見計らってるけど、なかなかそのタイミングはやってこない。
「もう少し、出方を見るとするか」
「はい、スバル君」
と、その時。
「そのぉ、ラム……さん?」
沈黙に耐え切れなくなった雷祈は少し困った表情で口を開き。
「────……ぉ、お、お茶の、お代わりを、貰えます……か?」
本来、言いたかった事とは違うが、勇気を振り絞ってようやく言えた第一球。
それをラムは────。
「かしこまりました。それと雷祈様」
「ひゃ、ひゃっい?」
「私は使用人、使用人に対してお客様が敬語を使うものではありませんよ」
…………ん?
普段のラムなら言わないセリフランキング3位に入りそうな言葉に雷祈はポカーンと唖然している。
うわぁ、これは緊張しちゃってますね。ラムのあの態度は雷祈とどう接すればいいのか解らず、使用人モードで対応している。そして、その対応に慣れていない雷祈はどうやって言葉を返せばいいのか困っているようだ。
さて、この状況はどうしたものか。
「成程、これは興味深いね」
「でしょ。だから私は飽きることなく『これ』を観察できたんだ」
色彩の魔女は「まぁ、彼とはそういう契約だしね」と呟きながらお手製クッキーを一口。
「でも、これはナツキ・スバルの断面を繰り返す呪いなんだよね」
「あぁ、彼が真の意味で答えを見つけるまでのね」
「ということは彼が答えを見つけ出せばこの世界は消えてしまうと」
「そうだよ。綺麗さっぱり、何もかも消えてここは無かった
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