第24話 猟犬の群れに帰る迷い犬達
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−Interlude−
支度を終えた2人は、衛宮邸の玄関で別れの挨拶をしていた。
先にリザが、次にフィーネが別れの言葉を交わしている。
「本当に迷惑を掛けてしまったな」
「俺の事でしたら気にする必要はないと言ったはずですよ?」
「・・・そうか?いや、そうだったな・・・」
リザもフィーネも口調を以前のモノに戻している。
それはこれ以上引きずらない為に、切り替えに必要な儀式の様なモノでもあるからだ。
ともあれ、フィーネもリザと同じく最後に握手をする。
「これからも大変でしょうが頑張って下さい」
「ああ、士郎も達者でな」
「2人とも堅苦しい。今生の別れでもないだろうに」
真面目な2人の挨拶をスカサハが指摘するが、フィーネは何とも言えない顔をする。
「かもしれませんが、私は副長の地位に居ながら騒ぎを起こした1人です。ですから日本にて任務を与えられない限り、数年は顔を見せる事も出来ないでしょう」
「ならば士郎の方から顔を見せに行けばいい話ではないか?如何だ?」
「勿論ですよ」
「いや、その様に言ってくれるのは嬉しいが、そこまで甘えるわけには――――」
スカサハの提案に即答する士郎に対して、本心では嬉しいがケジメとして頷く訳にはいかないフィーネ。
だが士郎はそんなフィーネの中途半端な言葉を言い切らせない。
「しつこい様ですが、リザさんもフィーネさんも短い間とは言え、衛宮邸の一員であり家族だと今でも俺は思っています」
「士郎・・・?」
「そんな家族が日本から離れた遠い地で頑張っているのを応援しに顔を見に行くことの何がいけない事なんですか?いや、誰が何といおうと俺は見に行きますよ」
「士郎・・・」
半ば告白的な台詞に、何所までも生真面目なフィーネは感謝の言葉は出せずにいた。拒絶の反応もしないでいたが。
「困っている時も連絡してください。何時でもかは難しいかもしれませんが、出来るだけ早く駆け付けますから」
「・・・・・・わかった。感謝する士郎」
そうして今度は両手で強く握手をして、リザと共に玄関から外に出ようとする。
しかしそこでリザだけが踵を返す。
「リザ?」
「悪い。お前と士郎の会話でオレ、我慢できなくなっちまった」
「リザさん?」
リザは士郎の目の前まで行くとまず謝罪から始める。
「悪い士郎。こんなことしたら、お前にどんな枷が出来ちまうかも予想出来ないんだが、最後に一つだけオレの我儘を許してくれ」
「我儘ってなんんっ!?」
「んちゅ」
士郎の言葉を待たずに口付けをするリザ。
当然周囲の4人は驚くなどのそれぞれの反応を見せる。
「リザ!?」
「おお
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