第24話 猟犬の群れに帰る迷い犬達
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祖母は魔術師の宿命にまるで興味を持たずにいるので、私自身も根源への到達には何ら興味を持っていません」
「それを信じるに値する根拠は?」
「証拠も根拠も明確に提示できるものはありませんが――――私達を未だに家族と慕い庇ってくれている士郎君に誓って」
「フィーネさん・・・」
「ふぅむ」
「ほぁー」
「ほぉ?」
士郎はフィーネから寄せられる信頼に対して仏頂面のままだが、内心では好意で満ちていた。
だからフィーネの言葉にある意味衝撃を受けていたのはそれ以外の男3人である。
「な、何でしょうか?」
「「いや、別に」」
((またか))
雷画は「こりゃ、ひ孫の数が多くなりそうじゃわい」と内心で遠くない将来(確信)に期待し、嵐臥は「そう言う風に女性をいつの間にかに誑し込むところも切嗣そっくりだな」とまたも亡き友人と被せる。
そしてフランクは意外感を露わにする。
上司としてフィーネの性格をほぼ把握しているからこそ、彼女の言葉には興味と関心を持たずにはいられなかった上、彼女たちを未だに庇い続け、フィーネに此処までいわせる士郎個人を現代に残った侍の1人として、より一層気に入るのだった。
だが当の本人は理解不能な視線に晒されて、非常に居心地が悪くなった。
「は、話を続けて宜しいでしょうか?」
「構わぬが、まだ続きがあるのか?お主自身が今現在も魔術を知り得ているのは、フランク中将と同様の理由からじゃろ?」
「う゛・・・・・・そうです」
「ふむ」
そうして今度はリザを見る。
「オ・・・私は――――」
「セイヨウニンジャと呼ばれてるくらいじゃから諜報関係先で偶然知る機会があったからじゃろ?」
「よ、よく解りましたね?」
「お主が知っているのであれば、部隊の立場を考えれば予想はつくわい。しかも一度は記憶操作を受けたんじゃろうが、二度三度と続いて行き、しょっちゅう記憶操作をしていてはキリが無いと判断されて、仕方なく知る立場として認められたと言った所じゃろ?」
「・・・・・・御慧眼通りです」
自分が説明すべきことを全部言われたリザは、何も言えなくなり認めるしかなかった。
「こんな事ならすぐにお主に連絡して引き渡すべきじゃったわい」
「申し訳ありません。何分極秘事項のひとつでしたので・・・」
「まあ、そうじゃろうな」
一拍置いて。
「これで終わりじゃが、何時連れて帰る?」
「出来れば直にでも。要求を全て飲む上でしなければならない事が山積みですので」
じゃろうなと、無言で納得する。
そして――――。
「直に支度せい。別れの準備もな」
この言葉に士郎に連れられて、2人は衛宮邸に戻る。いよいよ帰る為に。
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