第24話 猟犬の群れに帰る迷い犬達
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姿勢に、嵐臥は今は亡き友人である切嗣の面影に被せながら渋々引き下がる。
そんな時に藤村組本邸の専属給仕長から、フランク中将が到着したと伝えられ、各々身構えた。
−Interlude−
フランク・フリードリヒは藤村組との交渉――――と言っても全面的に悪いのは自分たち側であるので、要求と全て受けるだけである。要求は以下の通り。
一、今回の騒ぎで藤村組が被った費用をフランク中将が全て負担する事。
二、さらには引き渡しに関する事も含めての相応の示談金(慰謝料)を治める事。
三、躾が行き届いていない猟犬部隊のメンバーへの徹底した再教育。
四、躾が出来ていない猟犬部隊の面々は、出来るまで1人たりとも日本の地に足を付けることは許されない。
五、今後二度と今回のような騒ぎを起こさない事。
六、――――・・・。
七、―――・・・。
そしてこれらの要求がもし反故にされた場合、藤村組雷画のパイプを使い、ドイツの現政権への通告とフランク中将の右腕一本を貰うと言うモノになった。
そうして粛々と交渉が終わりに向かって行く中で、言い忘れたと雷画がフィーネとリザを見てから言う。
「今回の事で2人の記憶についての事なんじゃがの」
「魔術に関する隠匿でしたら必要ありませんよ?彼女たちは猟犬部隊の中で立った2人だけ魔術の事を既に知っている立場ですから」
「「なっ!?」」
フランクの言葉に同席している士郎と嵐臥の2人は驚愕に包まれる一方、雷画だけは大したリアクションを見せていない。
「その反応・・・・・・組長殿は予想されていたのですかな?」
「いや、十分驚いておる。ドイツ一の魔術師の名門フリードリヒ家当主よ」
「「えっ!?」」
「やはり私の事は知り得ていましたか。しかし名門だったのは一世紀以上も前の事です。私の祖父の代でフリードリヒの魔術回路は死滅したそうですから」
「ほぉ?」
「ですが知識だけは学んできましたよ。魔術に関連する存在が脅威となった時、祖国は勿論、家族や友人たちを守るために」
士郎達が驚いていることをよそに、雷画は1人だけ納得のいく顔をしていた。
「なるほどのぉ。で?この娘っ子共には何故教えているんじゃ?」
この状況で何所までも上から目線が出来る立場とは言え、その言い方は本来礼を失しているのだが、未だ引き渡しが完了していない現時点ではまだ士郎の家族の一員と言える位置なので、それを考慮した上での発言である。
その言葉に応対したのは聞かれているフリードリヒでは無く、話題の本人たちだが。
「私の家――――ベルクマンは魔術師の家系としては浅いのですが、ですがそれ故に今でも魔術回路が死滅することなく続いているのです。しかし、私の両親や祖父と
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