第24話 猟犬の群れに帰る迷い犬達
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』
明らかに皮肉気にかつ、含みを持ったラミーの言い様に動じることなく通信映像先のモノは言う。
『アレは必要な措置だった。出なければ、今頃あらゆる平行世界から善悪種族存在の在り方差別なく、主義主張の区別すらも無く全てが悉くアレのやり方による救済を強制されていただろう』
『だがあの二つの殻には時間制限がある・・・・・・だろ?』
『そう。だからこその――――《マスターピース》だ』
−Interlude−
モロを送り届けた士郎は少ししてから衛宮邸に帰って来ていた。
玄関では早速話してもらうと息巻いていた百代が仁王立ちで待っていたが、大事な話なので他のメンバーもそろえる前提で明日の放課後に話すと言い聞かせ終えてもいた。
そんな幾つもの修羅場を越えた後だと言うのに、少し遅れて何時も通りの朝食の仕込みなどを始めようとした時だった。
「――――すいません。士郎君」
「ん?」
キッチンにてエプロン姿で下ごしらえを始めようとした時に、士郎の背後から声を掛けて来たのはティーネとリズの2人だった。
だが衛宮邸で暮らすようになっていた何時もの2人の雰囲気とは何処かが違った。
緊張していながらも冷静で、記憶を失っていて保護されているという身分からの申し訳なさそうな態度も失せていると士郎は感じた。これはつまり――――。
「2人とも――――いや、御2人とも記憶が戻られたんですか?」
「っ!」
「よく解りましたね?」
「単なる予想とカマかけですよ。猟犬部隊副隊長フィーネ・ベルクマン殿」
「・・・・・・・・・」
士郎に本名と正式な肩書きで呼ばれた事に、今の自分はもうティーネでは無いのだなと改めて自覚すると共に、自分を叱咤したくなるほど心の底では悲しくなっていた。
「どうかしましたか?」
異性からの好意に鈍いくせに、親しい女性の悲しそうな感情の表れや兆しには敏感な士郎。
そんな士郎に今くらいは放っておいてくれと、理不尽にも似た苛立ちが僅かに湧き上がったが、直にそれを処理する。
「何でもありません」
その代わり声音に僅かに苛立ちが混ざってしまった。
勿論これにも聡い士郎。
「何か怒ってます?」
「怒ってません」
「怒ってますよね?」
「怒ってない!」
「う゛・・・わ、分かりました」
気遣えるか、まではまた別の話である。
「そ、それで、御2人は俺に如何して欲しいんですか?」
此処からが本題。
「はい。我々の今後と藤村組への迷惑への謝罪も含めまして、フランク中将への連絡の許可を頂けないかと」
「それなら大丈夫です。明日の昼間、フランク中将閣下が藤村組にお越しになると言う
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