第24話 猟犬の群れに帰る迷い犬達
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何も言い返せずに俯く百代。
本音は言い返したいが、そこまで傲慢にも無責任にもなれないのだ。
「だが矢張り、師岡は百代の仲間だと言う事も解る。だからここで決めてくれ。師岡の記憶を一部分消すか否か。お前が」
「・・・・・・・・・やってくれ」
「いいんだな?」
「ああ」
「分かった。時間がいるから3人は先に帰ってくれ」
「了解した」
「行くぞモモヨ」
後ろ髪を惹かれながらも、3人の言葉に促されて百代はその場を後にするのだった。
−Interlude−
黒子の抜け殻があるビルの屋上には、現在百代に吹っ飛ばされた筈のラミーがいた。
ラミーは別に黒子の様子を見に来た訳じゃ無い。
今現在進行形で宙に浮かぶ映像通信越しの相手からの指定場所が此処だったからに他ならない。
『私の言う通りだったろう?』
『何所がだ・・・!あんな雑魚に何の価値があると言うッ!?私を揶揄っているのか!』
『他意はないが・・・・・・その割には罅が入ったのだろう?』
通信映像先の指摘通り、百代に吹っ飛ばされた時の攻撃で鎧に罅が入ったのだが、今はもう痕も無くなっている。
『何故知っている?』
『その鎧を渡したのは私だぞ?それにその鎧の特殊性を鑑みれば、私が把握していても何ら不思議はあるまい?』
『フン。――――良いだろう。今回は殺す必要のない価値位と評価して見逃すとしよう』
ビルの屋上から帰宅中の3人を見下ろすラミー。
だがそこでふと、いや漸く気にし始めたことを指摘する。
『ところで、黒子はやられたのか?』
『そうであるなら越した事は無いが、無理だろうな。黒子を滅ぼすには、この世全ての歪みを排し、生きとし生けるもの全てを高次元の存在へと進化させねばならない』
『つまり世界が滅びない限り、奴も滅びる事は無いと言う事か』
ラミーは世界の歪みも人の愚かさも全て知り尽くしている。
故にそんな夢物語が実現する筈がないと、侮蔑の意味を込めて嗤うのだ。
そう、当人を省いた会話を続けていると、殻となっている黒子の全身が突如震えだし、収まると――――。
「――――」
『戻ったか』
「当然だ。彼の雷光の殺意を成されるがままに受け止めて汲み取ってやりたい所だが、私(仮称)には私(仮称)に救い求める全ての命を救済する義務がある」
これ以上話す必要はないと言わんばかりに、黒子はラミー達に振り向きもせずに帰還するためにその場から去った。
『相変わらず嫌われているな?まあ、無理ないか。アレを黒子と言う殻とサーヴァントと言う殻に無理矢理押し付けたのは貴様なのだろう?マスターピース創設者殿♪
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