最終話「マスクドライダー」
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、彼にデマで釣ってうまく騙せたものの、所詮は元旧友を殺すことにためらいを感じてしまったのだろう。試験当初は何のためらいもなく実験として多くの人間を容赦なく殺し続けてはデータの収集を続けていたというものを……
「くそっ……こんなところで、終わってなるものか!」
鬼守は、アサルトライフルを手にすると、ライフルに対強化人間兵器の銃弾をセットした。この銃弾は、強化人間の血管網を麻痺させると共に免疫力を大幅に低下させることのできる装備だ。
しかし、まだ未完成ながら効果はでるかは未定だ。しかし、自分が長年にわたって多くの強化人間の失敗から学んだ力作だ。決して残念な結果に終わることはない。
「シン! やはり、貴様は失敗作だ。マスターであるこの私に反旗を翻した失敗例などこれまでの前例で一度たりとも現れなかった!!」
鬼守は、他の研究員が逃げ惑う中をかき分けてシンのもとへ一直線に向った。
――明也の馬鹿……!
目を覚まして気が付いたころには、すでに明也の姿はなかった。彼の宣言通りに鬼守の研究施設へ向かったのだろう。
目を覚ました智代は、一目散に街へ戻り、自分が勤めていたあの研究上へと走り出した。
そして、走りながら向かう最中に自分は何かしらの罪悪感を感じていたのだ。
自分が明也をあそこへ連れてきてしまったばかりにともを死なせてしまったのではないか、さらに言えば、自分のせいで春原があのような姿になってしまったのかという思いも感じてしまっている。
今、行ったところで自分に何ができるのかなど知るよりもない。しかし、やっと巡り合えたというのに、最後の最後になって彼と離れ離れになることだけは嫌だ。最後まで大切な彼と一緒に居たいという思いがより一層強くなった。
「どうか、無事でいてくれ!?」
息を切らしたころ、ちょうど彼女はあの研究上の真ん前へとたどり着いていた。入り口には警備員の一人が気を失って倒れている。おそらく、明也の仕業だろう。
――明也!?
智代は、明也の無事を祈りながら研究所の通路を走り続けた。行先には幾人もの倒れた警備員や武装を施された武装兵士らの姿が見受けられた。そして、壁に相手いくつもの銃弾の穴、しかし緑色の血液は一滴も付着していないことから、明也はこの場所を無傷のまま突破したのだということがわかった。
「明也っ!!」
つまずき、白く冷たい通路へ倒れるも、痛みなど忘れてすぐに起き上がり、愛する人の元へ彼女は急いだ。
――今度こそ……今度こそ、明也と幸せになってみせるんだ!
叶うはずで叶わなかった、あの夏の記憶。そしてようやく起きた奇跡をこのまま手放しくない。命を懸けても、彼女は明也とあの約束を果たしたかった。
――明也……明也……!
一心に走り続け、地下の階段を下りる彼女は近くで複数の銃声が聞こえた。
「……ッ!?」
嫌
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