宇宙編
月決戦編
第43話 真実2
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人のMSが二機。
「フーバー、今から俺が話すことをよく聞いておけ」
ノーマルスーツを着たグレイブスを見るのは久し振りだった。
「ガデットは、連邦と繋がっている。奴は、この戦いが終われば安全な生活が待っているんだ」
「な、何を言っているんですか?彼はグラフィー軍の総大将ですよ?」
「お前は逃げろ。グワンバンは俺が沈める。お前は座標の通り俺の母艦に戻って…」
「ふざけるな??グワンバンを沈める?そんなことさせるか??」
肩に乗せられていた手を押しのけ、フーバーはグレイブスを睨みつけた。
「俺を信じろ??お前が以前ブラウビッシュというコロニーに行ったのを覚えているだろう??」
不意にその言葉をかけられ、フーバーは一瞬冷静になった。
ブラウビッシュ…俺とアイラと、グラン大尉でネオ・ジオンの使者に資料を届けた…
「あの使者というのは、連邦の士官だ??作戦配置図が敵の手にあるということは、直にここの宙域は殲滅されるんだよ??」
ばかな…
「そんな…なぜそんなことが…」
「ガデットは前から怪しいと思っていた。なぜこのタイミングで決起を起こしたのか、なぜああも簡単にグラフィーを落とせたのか…」
「そして、情報を掴んだ。ガデットは連邦と繋がっていることがわかったんだ。本来はもっと早くこうするべきだったが…あの艦にはお前らがいた」
「…っ!」
「もう時間がないんだ…お前だけでもフィンドラに行け。ジゼルならことをわかってくれるはずだ」
「あなたは…?」
「ガデットを生かしてはおけない…」
「待って下さい、グワンバンには俺の部下もいます!」
「これは戦いを終わらせるためだ。お前は逃げろ」
「…俺は…部下を裏切れません…それに、アイラや大尉の帰る艦はグワンバンだけです」
静かにそう告げると、グレイブスは黙った。
少しの間を置き、振り返ったグレイブス。
「…恐らくブリッジにいる佐官共も知っているはずだな」
「え?」
「行くぞ、俺はグワンバンのブリッジだけ≠狙う。お前はその部下とやらを連れて逃げろ」
「そんなことが…」
「生き延びたいなら従え??もう人が死ぬのは散々だ??俺が止める、奴の死で終わりにする…!」
そのままドーベン・ウルフのコックピットに飛んだグレイブス。モノアイをこちらに向けた後、機体はグワンバンの方へと加速していった。
「…今、助ける…!」
続いてリゲルグに飛びついたフーバーに、迷いの意思は消えていた。
今この状況で最も信頼できる人物はグレイブスだった。
あの教官が、自分達を裏切ったという事実を、フーバーは認めたくなかった。
それ故に、彼からの事実の宣告はより一層現実味を増した。
「俺は…やはり隊長には向いてない」
藍色の機体を駆り、フーバーは闇の中でそう呟いた。
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