第69話 道筋
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いをしなければならない御坂はまるで自分が悪役になったように胃のキリキリ感を覚えた。
座っている椅子を逆に座り背中側を湾内達に見せながらお腹を抑える。
白井が耳打ちをするようにやってきてヒソヒソと話しをする。
「いっそ話した方が楽ではありませんの?」
「で......出来る訳ないでしょ!」
すると頭を抱えている御坂達の目の前に黒い外套を着たフウエイが「?」と首を角度を急激にしながら見上げている。
「あひゃ!?フウエイちゃん!」
「どうしましたの!」
「ママ達元気ないね〜。だいぞうぶ?」
やや舌ったらずの声で質問してきたので幾分か癒された。
「湾内さんに御坂様?」
常盤台のラウンジに神妙な面持ちの婚后が重い足取りで近づいてきた。
「あら、婚后さん」
「......ご機嫌ようですわ」
「元気と高飛車がウリの貴女がどうかなさいましたの?」
「......その......あの方の事を聞きたいのですの」
「あの方?」
「はい、サソリさんについてですわ......あの方は一体どういう方ですの?」
木山との話を聴いてしまった婚后に取っては気にならないはずのない情報だった。
「まあ、婚后さんは最近会ったばかりだからね。簡単に言うとここに居る全員はサソリに助けられたのよ」
「助けられた......!?」
「そうですの!素行の宜しくない方からわたくしを守ってくださいましたわ」
「あら私もですわよ!貴女よりも前にですわ」
「時系列は関係ありませんわ」
言い争う湾内と白井、そしてサソリの事が話題に上がると何処か誇らしげになる御坂達に羨ましさを婚后は感じた。
「あのどのような幼少を?」
「サソリの?」
「はい......」
「んー、あたし達も詳しく知らないのよねぇ。でも両親はどちらも亡くなっているのは聞いたわよ」
「亡くなった!?本当ですの!?」
「ええ」
興奮してテーブルに手をついて前のめりに聴き込む。
「!?......その後は転々としてたみたいである組織に所属していたみたいだし」
驚きながらも説明をする御坂だが、御坂達もサソリの奥底まで知らない事を強調されていく。
助けて貰ってばかりでサソリの事をあまり知らない......
決して恵まれた環境ではない事は容易に想像がつく。
「?」
サソリが助けたかつての弟子のミサカ人形の頭を撫でる。
「どうしましたの?サソリの事を急に訊きまして」
「そ、それは......」
先ほどの会話を思い出して、婚后は迷った。
話や言動を聴く限りでは尊敬に値する人物であり、御坂達に慕われている彼の知られざる一面を知ってしまい頭をもたげて苦悩した。
言うべきなのか?
言わない方が良いのか?
「婚后さん、サソリさんに関する事ですの?
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