肉の日メニュー争奪戦・2
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ハーイ、Admiral。ランチ食べに来たわ!」
「こ、コンニチハ……」
「おぅ、アイオワにサラトガじゃねぇか。遠慮しないで食ってってくれ」
心なしかサラトガの表情が固い気がするが、まぁまだウチの雰囲気に馴れてねぇんだろう。数分後にはビーフストロガノフを頬張ってホクホク顔になっていたからあまり心配は無いとは思うが。結局、昼間のラッシュで半分近くの40人前強を売り捌いた所で客足は弛くなった。
その後も散発的には客が入り、追加で20人前程がはけた。残るは30人前を少し割り込んだ程度といった所で、店のドアが開いた。
「やぁ司令官、今日が肉の日だとすっかり忘れていてね。遅くなってしまったけど……まだ残っているかい?」
「運が良いなぁ、今月はまだ残ってるぞ……しかし珍しいなぁ?今日はヴェールヌイの制服じゃねぇのか」
やって来たのはヴェールヌイこと駆逐艦・響だ。自他共に認める飲兵衛であり、ウチの常連でもある彼女がカウンターに腰掛ける。
「今月はビーフストロガノフだが……付け合わせはどうする?」
「ん〜……そうだね、平打ちのパスタにかけて貰おうか。それとストリチナヤも」
やはり飲兵衛としては酒は欠かせないらしい。まぁ、今日は非番との事だから俺が咎める事でも無いのだが。
「しかし懐かしいなぁ、その制服着てる姿は」
「雷に奪られてしまってね。『こんなお天気なのに、お洗濯しないなんて勿体無いじゃない!』と言われて」
「ククク、違えねぇや」
窓から見える空模様は快晴。雲ひとつない洗濯日和といえるだろう。そして響による雷のモノマネがそっくりで、思わず笑ってしまった。本来艦娘が洗濯をする必要性は無く、洗濯物の集積所に出しておけば専門の妖精さんと職員がそれぞれに洗濯・乾燥・折り畳みまでこなして各部屋に届けてくれるのだ。しかし中には自分の拘りや趣味の範囲で洗濯をしたがる者がいるのだ。中でも雷は何くれとなく他人の世話を焼きたがるので、その姿を見て付けられたあだ名が『ロリおかん』。実際、同期の元アメリカ人のプリロコン提督が雷を嫁にしているのを見ているからか、物凄く納得できるあだ名ではあるのだが。
「あれ?響じゃん。珍しいねぇこんな時間に」
「……おや?瑞鶴さんか。貴女達も珍しいね」
店のドアを開けたのは瑞鶴だった。その後ろには翔鶴とグラーフもいる。
「アハハ……訓練終わりでね。集中してたらご飯食べそびれちゃって」
そう言いながらカウンターに腰掛ける3人。拭って来たのだろうが、その額にはうっすらと汗が滲んでいる。
「瑞鶴と弓を引いていたのですが……グラーフさんも挑戦されたいと仰られまして」
「うむ、私の発艦方法だと弓の技術は必要ないのだが
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ