第44話 鬼の一行、海鳴へ向かう
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ぐに真剣な目に変わり、懐から小さな封筒を取り出し、土方に見せた。
「土方先生、コイツはある男から渡された書類と写真だ。確認のためのために俺も見せてもらったが一体誰なのかサッパリ。だが、土方さんなら分かるとあの男は言ってた」
「俺なら分かる?一体誰が……」
首を傾げながら受け取った写真を見た土方は眼を大きく見開き、土御門に視線を向けた。
「土御門……この男は今、海鳴って街に居るのは間違いないんだな?」
「あ、ああ……先に海鳴に潜伏している仲間からの確かな情報だ」
「そうか………」
「土方さん、この男は一体……」
「こいつは………」
土方は土御門に写真に写る者に対して伝えているが、その声は当人たちしか聞こえなかった……
「で、小萌先生。その海鳴って街に行くのは確定だとして、俺の他に一緒に行くのは決まってるんですか?」
ほぼ理不尽な形で海鳴行きが決定したため、少々不満気な上条は小萌に同行する人間の確認をすると小萌じゃアッサリと同行者の名を伝えた
「ああそれはですね、雪村ちゃんと保護者代わりとして土方先生なのですよ」
「え?土方先生が?なんでまた……」
「本当は刀夜さんにお願いしたかったんですが、タイミング悪いと言うべきかどうやら刀夜さんは出張中みたいなのです。それに土方先生も相手方から用があるみたいです」
「用って一体……」
「そこは政府の重要機密に関わる故に詳しいことは話せないと返されたのですが、何でも『ある事件の解決のために是非土方殿の力を借りたい』と言ってたのです」
「ある事件の解決って……」
「そこは弦十郎ちゃんに直接会って聞いてみない事には何とも言えないのですが、どうやらかなり厄介な事件みたいなのです」
「そ、そうなんですか?」
「そうなのです。なんせ弦十郎ちゃんは大学時代から『人類最強の男』なんてあだ名がついて、あの“フロンティア事変”に解決の為に貢献した程の人からの頼みですから」
「・・・・・・・・・・・・・・・・え?」
担任からの何気ない一言に上条は言葉を失い、同時に察した。小萌先生は幼い見た目とは裏腹に自分のような生徒を決して見捨てない人だ。そしてこの先生の助言は事実を語り、誇張を含めない。
それはつまり……
今まで自分が体験してきた学園都市で起きた事件や魔術師、能力者たちとの戦いとは比べ物にならない事件に巻き込まれているという事と同義だった……
そして上条は小萌と別れた後、合流した土方と千鶴に海鳴での打ち合わせをし、海鳴に行くことを彼
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