第3章:再会、繋がる絆
第86話「負の感情の世界」
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うしてどうしてどうしてどうして!?』
「優ちゃん!!」
まるで音波のグラフのように、衝撃波が飛び交う。
それお優輝が神力で障壁を作り、なんとか凌ぐ。
「......。」
「優輝さん?一体どうしたので...。」
『嫌...嫌、嫌、嫌嫌いやいやイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤァアアアアアア!!』
「っ....!」
何かが混ざったような叫び声を司は上げる。
―――...その瞬間、世界が塗り替えられた。
「なっ....!?」
「これは!?」
イメージで表すとすれば、それは“冥界”が一番近いだろう。
紫や闇...“負”をイメージする色の瘴気に覆われた空間。
森や建物もあるが、それら全てが崩壊したように中途半端に色が抜けて存在している。
そして、そこら中から人魂のようなものが怨嗟の声を漏らしながら纏わりついてくる。
「....どういう、事なんだ...。」
「...優ちゃん。これって...。」
先ほどから違和感を感じていた優輝と、今気づいたように葵が声を漏らす。
「一体何が...!?司の感情を、何かが浸食している...!?」
また、主とのパスにより感情を感じ取れるリニスも驚愕する。
「...“別のナニカ”がいる...。」
「それも、司ちゃんの“負の感情”と同じベクトルのものだよ。」
一言で言えば、司は何かに取り憑かれたようだと、優輝達は感じ取る。
「とにかく、これは危険だよ...!この空間だけ世界そのものを塗り替えてる...!」
「くっ....!」
刹那、瘴気が弾となって飛来する。それを優輝が神力で切り裂く。
〈マスター!...くっ....!〉
「(ここに来て、別勢力...。これは...。)」
先程までとは段違いの重圧が優輝達を襲う。
優輝が神力で相殺を試みるが、“全力に近い”力でようやくだった。
「祟り...いや、それを超える...!これは...本気で神々の領域に達するぞ!?」
「嘘...!?」
これまで余裕だったはずの優輝の障壁が軋む。
それほどまでに、“負の感情”による重圧は強大だった。
「司!!」
『私なんて死ねばいい。いなくなってしまえばいいんだよ!皆を不幸にしてしまう私なんか!...今回だってそう!私がいなかったら、こんな事には...!』
「それは違います!」
嘆く司の声を、リニスが否定しようとする。
しかし、荒れ狂うような“負の感情”の波の前に、その声は届かない。
「(...全力以上を出すか...。でも、そうしたら何かが...。
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