第3章:再会、繋がる絆
第86話「負の感情の世界」
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「(再展開が早い...!)」
しかし、相殺になったと優輝は判断する。
それを、葵とリニスも理解していたのか、術式を手に前に出る。
「術式開放!“呪黒砲”!!」
「“三雷必殺”!!」
黒い砲撃と、三連続の雷が目の前に広がる瘴気の壁を打つ。
穴を穿つには至らないものの、明確なダメージが通った。
「は、ぁっ!!」
―――“神撃-真髄-”
すかさず優輝も一瞬で追いつき、神力の籠った掌底を放つ。
葵とリニスの攻撃を軽く上回る威力が、壁に穴を穿った。
「っ!!」
しかし、穿った穴から黒い砲撃が飛び、咄嗟に優輝は神力を纏った拳で逸らす。
「これ、は...!」
「優ちゃん!」
「二人とも後ろに!」
その瞬間、弾幕や砲撃、触手が展開され、それら全てが優輝達に矛先を向ける。
躱せない。そう確信した優輝は葵とリニスを後ろに庇う。
「...導王流“木葉流し”!」
襲い来る圧倒的物量の弾幕と触手。
それら全てを、優輝は超反応で受け流す。
まるで風によって木の葉が逸れるように、神力の籠った手で適格に逸らした。
「っ...!はぁっ!!」
―――“撃”
―――“扇技・護法障壁-真髄-”
一瞬の余裕ができた瞬間に、優輝は神力の衝撃波で迫りくる弾幕を相殺する。
さらに、すかさずに障壁を張る事で、後続の攻撃を阻む。
「(時間がない。突っ込むか...!)」
間髪入れずに優輝は両手に神力を溜め、それを解き放つ。
「我が威光を知らしめよう。“神威極光”!」
放たれた金色の光が、瘴気の壁を打ち破る。
それは、ただ穴を穿つだけでなく、瘴気そのものを表面の半分程祓った。
「葵、リニスさん!」
「了解!」
「はい!」
瘴気の壁に開いた穴から、葵とリニスが突入する。
「っ....!?」
「っ、これは...!?」
しかし、そこで言い表せないような感覚に見舞われ、葵とリニスは動きを鈍らせる。
「“負の感情”...!まずい...!」
「ぅ、ぁ....!」
葵と、神降ししている優輝は無事だったが、リニスが危険だった。
先ほど渡しておいた護符代わりの御札をも上回る“負”のエネルギーが、リニスを呑み込もうとする。
「気をしっかり持って!...司ちゃんを、助けるんでしょう!?」
「っ....!」
だが、葵のその一言により、リニスの瞳に強い意志が宿る。
...そう。リニスは助けると誓ったのだ。だからこそ、ここで朽ち果てる訳にはいかなかないと、“負の感情”を退けた。
「...我が光を以って、瘴気を祓
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