第3章:再会、繋がる絆
第86話「負の感情の世界」
[1/10]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
―――....どう...して...?
“闇”に囚われながら、私はそう思わざるを得なかった。
この世界。私の“拒絶”とジュエルシードが作り出した、“私が死ぬための世界”。
そこに、誰かが入ってきた。...否、誰かは分かっている。
.....次元航行艦船、アースラ。そして、それに搭乗する皆。
...あの、優輝君も、あそこに乗っている...。
「(なんで...ここ、が....。)」
理解できない。したくなかった。
私は誰からも忘れられたはず。そうジュエルシードに願ったはず。
誰にも認識されず、誰にも知られずに朽ちていく。そのはずだったのに...!
「(...どうして、気づかれたの...?)」
...疑問は尽きなかった。助けに来たのが信じられなかった。
...そして、迷惑をかけてしまうと、思った。
「(お願い...私なんか、助けないで...!)」
既に私は、自分で動こうと思っても、動けない。
私を覆う“闇”が、そうさせてくれない。
「(お願い...だから....。)」
だけど、そんな想いを裏切るように、力の波動を感じた。
魔力ではない、おそらく霊力でもない、そんな力を。
その力が“殻”を穿ち、何かが侵入してきた。
「(...優輝...君....。)」
私が“視ている”のは全体の光景。故に、個人個人の姿はよく見えない。
でも、それでも、優輝君が来たのだと...来てしまったのだと、理解できた。
「(....ごめん、なさい....。)」
ただ一言、そう心の中で想い、“どうか私に構わず無事に生き残って”と願った。
...本当の願いを、心の奥底に押し込んで....。
=優輝side=
ドォオオオオオン!!
「突撃!」
僕の放った矢が、黒い塊に穴を開ける。
その瞬間に、突入する全員が飛び出した。
「葵!奏!」
「了、解!!」
「っ、“sforzato”!!」
ギギギギギギィイン!!
妨害するように放たれる閃光を、葵と奏が弾いていく。
「...穿て、光よ!」
―――“神槍-真髄-”
僕がさらに光の槍を大量に放ち、穿った穴を広げる。
そして、そのまま僕らは黒い塊の内側へと突入した。
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ