暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第3章:再会、繋がる絆
第86話「負の感情の世界」
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   ―――....どう...して...?



 “闇”に囚われながら、私はそう思わざるを得なかった。

 この世界。私の“拒絶”とジュエルシードが作り出した、“私が死ぬための世界”。

 そこに、誰かが入ってきた。...否、誰かは分かっている。

 .....次元航行艦船、アースラ。そして、それに搭乗する皆。

 ...あの、優輝君も、あそこに乗っている...。

「(なんで...ここ、が....。)」

 理解できない。したくなかった。

 私は誰からも忘れられたはず。そうジュエルシードに願ったはず。

 誰にも認識されず、誰にも知られずに朽ちていく。そのはずだったのに...!

「(...どうして、気づかれたの...?)」

 ...疑問は尽きなかった。助けに来たのが信じられなかった。

 ...そして、()()()()()()()()()と、思った。

「(お願い...私なんか、助けないで...!)」

 既に私は、自分で動こうと思っても、動けない。

 私を覆う“闇”が、そうさせてくれない。

「(お願い...だから....。)」

 だけど、そんな想いを裏切るように、力の波動を感じた。

 魔力ではない、おそらく霊力でもない、そんな力を。

 その力が“殻”を穿ち、何かが侵入してきた。

「(...優輝...君....。)」

 私が“視ている”のは全体の光景。故に、個人個人の姿はよく見えない。

 でも、それでも、優輝君が来たのだと...来てしまったのだと、理解できた。

「(....ごめん、なさい....。)」

 ただ一言、そう心の中で想い、“どうか私に構わず無事に生き残って”と願った。













 ...本当の願いを、心の奥底に押し込んで....。

















       =優輝side=







     ドォオオオオオン!!

「突撃!」

 僕の放った矢が、黒い塊に穴を開ける。
 その瞬間に、突入する全員が飛び出した。

「葵!奏!」

「了、解!!」

「っ、“sforzato(スフォルツァート)”!!」

     ギギギギギギィイン!!

 妨害するように放たれる閃光を、葵と奏が弾いていく。

「...穿て、光よ!」

   ―――“神槍-真髄-”

 僕がさらに光の槍を大量に放ち、穿った穴を広げる。
 そして、そのまま僕らは黒い塊の内側へと突入した。






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