ターン65 鉄砲水と大蛇の深淵
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ってるし、そもそもこれ以上覇王軍から逃げるのはいい加減腹が立つ。それに覇王の部下ということは実力は確実に覇王以下、そんな相手とのタイマンを避けるようでは覇王に勝つなんて夢のまた夢だ。おまけに本来ならまず越えられないこの川の流れも、もはやただの道でしかない。
「行くよチャクチャルさん、こっちから喧嘩吹っかけてやる」
『よしきた。そう言うと思った』
水面をひょいひょいと走り、まともに泳いだらどれだけかかるかわかったものじゃない反対側の岸にもすぐに到着する。だがその間に、走る間ずっと聞こえてきていた激しい金属音や爆発音もぱったりと聞こえなくなってしまった。
嫌な予感に襲われながらも先ほどから目星をつけておいた場所の様子をうかがおうとすると、ちょうどその寸前に先ほどの声がまた聞こえてきた。
「どうやらここまでのようですねえ。ではワタクシ自身、暗黒界の術師 スノウのダイレクトアタックでとどめといたしましょう」
その宣告の直後、ひときわ激しい爆発が起きる。草を掻き分けどうにかその場所にたどり着いた時には、すでに何もかもが終わっていた。
女戦士 LP300→0
「そんな……!」
大賢者、ケルト、そしてこの女性。僕は力を手に入れてるはずなのに、どうしてこうも結果を出せないのだろう。
いや、まだだ。まだやることは残っている。目の前の悪魔……スノウは筋肉質だったケルトとは対照的に細身な体で、全身を包む白いマントの他に片手には魔法使いのような杖を手にしているのが目立つ。そのスノウが突然の乱入者に怪訝そうに眉をひそめるが、すぐにその目が喜色に輝いた。大げさに両手を広げ、こちらにじりじりとにじり寄ってくる。
「おお、これはこれは。恐らくこのあたりに流れ着いているだろうとは思いましたが、死体ではなく生きていらしたとは。ですがどちらでもよろしい、あなたの身柄を覇王様に献上すれば、ワタクシの地位はますます安泰。いやあ、こんな僻地までわざわざ来たかいがあるというものです」
「ふざけんな!」
「下品な言葉ですねえ。ですがその言葉は本来、私が言いたいのですよ?あの覇王様にいやしくもイチ人間の分際で、どいつもこいつも刃向いたがる。寛大なるあの御方は少し前のジム、とかいうワニ男もあなたも分け隔てなく自らの手をお汚しになられていますが、ワタクシにはそれが我慢ならないのですよ」
さらに近寄ってくるスノウの不気味さに負け、思わず後ずさる。その反応にさらに喜んだらしいスノウが腕に付いたデュエルディスクらしき装置を構え、既に起動済みのそれを構える。
「あなたが覇王様に敗北を喫したのちみじめにもここまで逃げてきた際、ご自身のデュエルディスクを壊したという情報は既に入ってきています。あのケルトを破った実力は勝算に値しますが、大人し
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