ターン65 鉄砲水と大蛇の深淵
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たちは僕のために来てくれて、僕もこの子たちと共に戦うって決めたんだ。どんな方法で断ち切ろうとしても、僕は必ず仲間と戦う!」
「く……こんなところで、このワタクシが……!」
そう、これこそが僕の「仕掛け」。まだ試行錯誤の段階とはいえ、これまで使っていたデッキに壊獣の力を取り入れた、僕自身が新たなステージへ上り詰めるための新しいデッキだ。そしてこのジズキエルの攻撃力と、スノウのダーク・グレファーの攻撃力の差は1600。そして、スノウのライフは1500。どうしようもない敗北を前にスノウの顔が絶望に歪み、その場に尻もちをついて少しでも後ろに下がろうと無駄な努力を繰り返す。
奴のあの表情に嘘はない。どうやら、墓地のカードの中にも奴を助ける力を持ったカードはなさそうだ。そう判断し、今にも破壊の光線を撃ちだそうとするジズキエルを手で制する。
「さあどうする、スノウ?2つ、2つだけ選ぶ道を残しておいてあげるよ」
「2つ……?」
自らの命が失われようとするこの状況で掴める可能性があるのなら、例えそれが藁であってもスノウには手を伸ばすしか方法はない。案の定乗ってきたことに軽い可笑しさを感じながらも、指を2本出してこちらの条件を伝えた。
「まず1つは、潔くこのまま戦士として僕のジズキエルの攻撃を受けて散ること。もう1つはこの場でサレンダーして。そうすれば命だけは助けてやるからとっとと覇王のところに行って、僕からの伝言を伝えてもらおうか」
「な、なんですって、そんなこと」
「いーんだよ別に?そんな大した話でもないし、ここで普通にデュエルを終わらせてもぜーんぜん困んないし。ジズキエル、ダーク・グレファーに……」
「わ、わかった、わかりました!サレンダーしますとも、ワタクシの負けです!」
「そりゃよかった。悪いね、ジズキエル」
少し不満げに唸りながら、ジズキエル達の姿が消えてゆく。まだ尻もちをついたままのスノウを見下ろし、改めて話しかける。
「さて、それじゃあ伝言を頼もうか。文面は、そうだね……『この遊野清明様が地獄の底から帰ってきたから、首洗って待ってなバーカ』。こんだけでいいや」
「へっ?い、いえ、わかりましたあぁっ!」
あまりといえばあまりの文面に1瞬あっけにとられたらしいスノウだったが、すぐに気を取り直すと手にした杖が黒い光を放つ。その光に包まれ、スノウの姿がその場から消えた。とりあえずその結果に満足していると、チャクチャルさんの心底面白がっている声が頭に響く。
『なるほど、考えたなマスター。いやはや、これからは忙しそうだ』
「あはは。やっぱりこの手の心理戦は、僕が何考えてもチャクチャルさんにはお見通しか」
『当然。だが、いかにもマスターらしい手の打ち方だな』
そう、これは僕にとって1種の賭け
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