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Blue Rose
第四十話 ならず者共の暗躍その十
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「その餓鬼がうろついていて相手になるのなら」
「もっと、ですか」
「大変よ」
 推理小説よりもというのだ。
「本当にいたらね」
「いて欲しくないですね」
「私もよ、気のせいならいいわ」
 心からだ、副所長は願っていた。
「このことは」
「そうですね、それじゃあ」
「ええ、探偵さんにお願いするわ」
 実際にというのだ。
「そして調べてもらうわ」
「そうしますか」
「八条探偵事務所にね」
 依頼する事務所の名前も出した。
「あそこにお願いするわ」
「八条探偵事務所ですか」
「ええ、知ってるわよね」
「八条グループが経営している」
「日本全土に展開している事務所ですね」
「そうよ」
 その通りとだ、岡島に答えた。
「長崎にも事務所があるから、あそこは」
「それで依頼しますか」
「そうするわ」
「そうですか、探偵さんにお願いしますか」
「やっぱり専門家にお願いするのがいいわ」
 何といってもというのだ。
「素人が見るよりもね」
「相手に気付かれたりしますしね」
「そう、だからね」 
 このことも注意してだった。
「プロにお願いしますわ」
「そうですか、それじゃあ」
「すぐに事務所の方に電話をかけるわ」
「そういうことで」
「ええ、しかし気付かれたのなら」 
 ここでまた眉を顰めさせて言った副所長だった。
「よく気付いたとね」
「思いますよね」
「全くよ」
 また岡島に言った。
「若し気付いていたら」
「凄い勘ですね」
「それか得体の知れない情報源とか」
「そういう類ですか」
「不気味なものも感じるわ」
 副所長は直感的に感じていた、勘を言う彼女の勘も結構なものと言えるだろうか。
「だからね」
「今のうちにですね」
「手を打っておくわ」
「そうですか」
 こうしてだった、副所長は自分達と同じ八条グループに所属している探偵事務所に仕事を依頼した。療養所の周りに怪しい者はいないかいたとしたら何者なのかを。
 副所長は確かに素早く動いた、依頼された探偵も。しかし。
 鍛冶元はより素早かった、療養所の周りをうろついてだった。
 現場でもネットでも情報を集めた、その入所者や退所者まで。
 入所者と退所者は役場にいる組合系の知り合いに頼んで調べてもらった、その結果。
「変なことがわかったな」
「変なこと?」
「ああ、男女の数が合わないな」
 こう衝夫に話すのだった、長崎市のある高級バーの中で。高級バーであるがカウンターで飲む二人の飲み方は実に汚い。
「男も女も入って出る数は同じだろ」
「死なないと」
「少なくとも今年あそこで死んだ人はいない」 
 療養所の中でというのだ。
「けれど入所と出所のな」
「男女の数が少ないですか」
「入った男の数は一人
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