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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第六話 宣戦布告 好きなケーキはリンツァートルテ
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「マリィがいれば、今のお前くらい斃せるんだよ……!」

藤井蓮は間違いなく生涯最大のハッタリをかます。だからこそ、それは届いた。

「ふふ、ククク…ははは、ははははは、はははははっははっはハハハ――――――!」

ラインハルトは俯いて、喉を鳴らし、やがて天を仰いで大笑いした。

「見事、ははは―――まったく、いや……上出来ではないか、教育が行き届きすぎだぞカール!しかし、これすら既知だ、無意味だ。いや福音へ至る道として甘受するかな。終わりは近い!
ナウヨックス、賭けは私の勝ちだぞ。顔を見せろ」

「やれやれこのタイミングで呼びますか、普通?人形も驚くでしょう。あと返してあげてはどうですか。怯える子羊が勇気を振り絞り狼を演じたのです。それ相応の気概には対して報酬は当然のことでしょう」

「そうだな、持っていけ」

「―――がッ」

蓮にマリィが返される。その身に傷は一つとして付いておらず五体満足で返ってきた。

「後のことは任せたぞ、ナウヨックス。彼らは客人なのだからな、丁重に扱え。
ではしばしの別れを、ツァラトゥストラ。よもや逃げまい。今の私では不足と言った卿ならば。楽しみでよ。私に未知を見せてくれよ。
決戦はそのときに、我が軍勢(レギオン)をもってお相手すると約束しよう」

そう言ってラインハルトは一瞬の閃光とも言える輝きと共に消失した。それに対比するかのように影でありまるで漆黒の闇であるかのようなアルフレートがその場に立っていた。

「………くそ」

「気にするな、今のお前じゃその反応が当たり前だ」

ただ最後の最後まで圧倒されていたこと。ラインハルトの余裕を消す事もできず、安堵し、それが悔しく恥じて彼は知らずに舌打ちしていた。

「マリィ、無事で良かった。何処か痛いところとかあるか?」

「ううん、平気だよ」

「立ってみて」

少々不躾な行為だと彼は自覚しつつも上から下まで異常がないかを確認する。じろじろと見る蓮の表情からあまり気が進まないのは事実なのだろう。しかし、

「………………レン、近いよ」

寄るなと言わんばかりにマリィは蓮の胸を両手で押す。

「…なっ」

「なにしようとしてたの?」

「いや、何って……」

「平気って言ったでしょ。じろじろ見ないで。恥ずかしい。目がいやらしかったです」

「いやらしいって……」

ここで蓮の威厳を保つために言っておくが別に蓮はいやらしい目つきでマリィを見ていたわけではなく、怪我の有無や他に異常が無いかを調べていただけだ。他に他意はない、はず。

「……ククク、いやまあそんな目つきで見ていればそう勘違いもするだろう」

「うわぁ!?」

蓮はいきなりマリィ以外の人、アルフレートに声
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