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レインボークラウン
第四百四話

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              第四百四話  姉から言ってきた
 赤音は葵がどうして必死に牛乳を飲んでいるのかが気になっていたが自分から言うことは出来ないでいた。
 だがある日だ、葵は赤音と一緒にリビングにいて牛乳を飲みながら言った。
「どんどん飲んで背を高くして」
「あれっ、ひょっとして」
 赤音は葵の言葉を聞いて言った。
「お姉ちゃん牛乳必死に飲んでるのは」
「そうよ、前も言ったけれど」
「そうよね」
「私はもっと背が欲しいのよ」
「背が高くなりたいのね」
「そうなの」
 葵はこう妹に話した。
「モデルさんみたいにね」
「一七〇位?」
「そう、それ位はね」
 是非にというのだ。
「欲しいから」
「だからなの」
「そう、牛乳を飲んでね」 
「それも必死にって感じだけれど」
「そう、かなり欲しいから」
「背が」
「私としては胸よりもなの」
 葵としてはというのだ。
「背が欲しいの」
「だからそれだけ牛乳飲んでるの」
「そう、それで前よりも運動してるし」
「運動もするといいのね」
「そう聞いたから」 
 背が伸びるにはというのだ。
「だからやってみてるの」
「牛乳飲んで運動もして」
「そう、何時かきっとね」 
 葵は牛乳を一杯飲んでからもう一杯飲んで赤音の分も入れてからまた話した。
「モデル体型になるわよ、一七〇センチ位のね」
「一八〇とかは?」
「そこまではいいわ」 
 それ程の背はいらないというのだ。
「別にね」
「一七〇位なの」
「だって一八〇だともう大抵の男の人より大きいみたいだから」
 だからだというのだ。
「そこまではいいわ」
「一七〇ね」
「本当にそれ位でいいから」
「極端に大きくはいいの」
「だから一七〇位なの」 
 それ位の大きさでいいというのだ。
「それに大きくならなくても栄養の塊だからね、牛乳は」
「飲んで損はないから」
「飲んでるのよ」
 こう妹に話してだ、葵はまた牛乳を飲んだ。そして赤音も牛乳を飲んだ。彼女も何処か必死になっておかわりをしたのだった。


第四百四話   完


                        2016・12・19
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