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マクロスフロンティア【YATAGARASU of the learning wing】
遭遇
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。」
「凄いな……」
何が凄いかってシェリルだ。ライブが始まって間もなく、アルトが無茶な機動をしてチームメンバーと接触、勢いでシェリルがステージから転落した。幸いギリギリで体勢を建て直したアルトが助け出したが。驚くべきはその後だった。
「……奏。お前ならどうだった?」
「無理よ、絶対仕切り直すわ。」
なんとシェリルは、アルトに助けられ、抱き上げられた格好のまま一曲歌いきってみせたのだ。
「悔しいけど……流石は《銀河の妖精》ねぇ。」
「頑張らないとな、《蒼穹の歌巫女》さん?」
「ちょ……ちょっと、止めてよ!その渾名!」
《蒼穹の歌巫女》というのは奏の渾名だ。深く澄みきった歌声と容姿からそう呼ばれている。尤も本人は恥ずかしくて余り好きじゃないらしいけど。
ともあれ会場のボルテージは最高潮。熱狂に包まれたホールの圧に一切負けず、むしろ押し返す勢いで歌い続けるシェリル。その姿にはどこか圧倒されるところがある。
この辺が奏との音楽の違いだな。シェリルの声は銀河の様に煌めいていて人を惹き付ける。対して奏は蒼い空のように深く透き通る声で人の心に染み込む。どっちが万人受けするかと言えば当然シェリルだろう。……尤も、それが全てではないし、仮にそう言ったらそれは奏にもシェリルにも失礼だろう。
と、そんな時だった。
突如会場のライトが通常の状態に戻る。と、同時に鳴り響く緊急事態のアラート。
さらに俺の携帯にもコールが掛かる。ライブの為に電源を切っていたにも関わらず通じるということは……恐らく緊急呼び出しだ。
「翼です。姐さん、何が起こったんです?」
通話の相手は姐さん……アリーナ・ヴァローナだ。
『……作戦コード・ビクター3が発令された。直ぐに来い。』
「……ビクター!」
奴等が―――知らず、胸元の金属片を掴む。
『どうやらあたしもお前も、奴等からは逃げられんらしい。なら、叩き潰すまでだ。』
「―――了解!」
通話を切って隣を見る。此方を見詰める奏の瞳には恐怖も、不安も、疑いも微塵もない。ただ、黙って俺の目を、その向こうに見えるのであろう俺の意志を見透かしている。
「……悪いが、デートは中止だな。」
「そう………」
すると奏は何を思ったのか体を此方に寄せる。そして……
「ん………っと。………死なないでね?」
「っ!?………お前って奴は……どうしてこう大胆なのか……。」
顔を近づけ、頬に口付けされた。突然のラブシーンに周囲の目が痛い。
「……まあいいさ、さっさと片付けて来るから、気を付けて…な?」
「うん。」
この時点で周囲の何人かは彼女が美星奏だと気付いたのだろう。俺に複雑な視線が
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