37美汐、ゆうくん
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を持ち上げて頭を後ろに反らせ、目にお湯が入らないように手で覆いながら頭に湯を掛けシャンプーで洗い始める。
(これも、ずっとこうだったんだよな?)
余りに手慣れた感じに驚かされ、まるでその手のお風呂屋さんに来た感じすらする祐一。それからは、子供の頃の思い出を取り戻すように、昔あった出来事を話し合った。
「こうするのも久し振りだね、遊びすぎてのぼせたり、騒ぎ過ぎてお婆ちゃんに怒られたり」
「そうだったかな?」
「他にも、お婆ちゃんに隠れて、洗いっこしたり…… 見せっこも」
「えっ?」
耳のすぐ後ろで、エロエロな過去を話され、何故そんな重要な出来事を覚えていないのか? 自分を責め立て、今すぐロリ美汐の体を思い出すよう強く願う祐一だった。
「それも覚えてない?」
「今すぐ思い出したい、どうしても」
「うふふっ、後で、また、ね?」
顔を赤らめながらも、男の子の記憶を取り戻させるのに、一番効果的な品物をチラ見せし、強制的に記憶を引き出すつもりの美汐。祐一も先ほどあれだけ恥ずかしがっていた体を見せてもらえると聞いて、猛烈に期待した。
頭を洗い終わった後も、当然のように腕と背中も洗われる。腕に柔らかい部分が当たっても、驚いて祐一が見ても、作業に集中して隠そうともしない美汐を見て、子供の自分とは言え、ここまで嬉し恥ずかしいサービスを毎日のように受けていた相手を羨ましく思い、自分に嫉妬する。
「ねえ? おばあちゃんちの庭で花火したの覚えてない? 金魚花火とか、線香花火」
「う〜ん、まだ思い出せないな。これだけ聞いたんだから、思い出しても良さそうなもんだけど」
「いいよ、ゆっくりでいいから」
背中を洗い終わった所で後ろから抱きつかれた。背中に当たった柔らかい感触に「美汐嬢の洗浄テクニックに本紙記者も思わず昇天」しそうになったが、美汐の言葉で引っ込んでしまった。
「でも、本当に、帰ってきてくれたんだ」
前に回した手で胸を洗われるが、その手は先に進まず、代わりに肩に顔を埋めた美汐の啜り泣く声が聞こえて来た。
「ずっと、ずっと待ってたの、グスッ、この7年、ゆうくんがいなくて何も無かった、ただ生きてただけだった…… ゆうくんが迎えに来てくれるのをずっと待ってたのっ」
もちろん、美汐も生きてこの世で会えるとは思っていなかった。無気力な自分の命が尽きて、あの世から「ゆうくん」が迎えに来るのを、ただ待つだけの7年だった。
「天野……」
「やっと、やっと逢えたんだ」
震える手を握ってやり、頭を撫でてやると、少し落ち着いたのか顔を上げ、手慣れた様子で祐一の顎を持って後ろを向かせると、唇を重ねて大人のキスをした。
泣き声は止まなかったが美汐の手が動き出し、胸を洗い、脇、腹、ある場所を避けて足、そして躊躇いながらもその場所に到達した。
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