暁 〜小説投稿サイト〜
KANON 終わらない悪夢
37美汐、ゆうくん
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を離したが、次第に険悪になるコトメと嫁の関係。
 翌日以降、栞や香里が出現しても術でも掛ければ引き離せるが、舞にだけは通用しない。
 いつかこの小姑とは決着を付けなければならないと感じた美汐は、強敵を倒す策を練り始めた。

『じゃあお風呂も空いたみたいだし、一緒に入りましょうね、ゆうくん』
 恐ろしい義姉を無視して入浴を「命令」する美汐さん。もちろんその時の表情は、香里や佐祐理と同じく、断れるような生易しい物では無かった。
 あえて言えば、7年の情念が上乗せされた分、さらに恐ろしい物と化し、妖狐だけに狐火や、怪しいオーラが背後に見えていた。そこで祐一が言えたのは一言。
「はい」
 今回は、それ以外の選択肢は無かった。
 祐一を脱衣所に押し込んで、怖い顔で睨み続ける舞を無視して、後ろ手に戸を閉めて鍵を掛けている美汐。ここで祐一に残された選択肢は?

1、漢らしく美汐を抱く
2、みーちゃんに無理矢理犯される
3、美坂姉妹が突入
4、秋子ちゃんと愛の逃避行

 多分2番…
「なあ、天野」
「みーちゃん、でしょ」
 祐一が見ているにも関わらず、するすると服を脱いで行く美汐。夕方の電話や嫁入り騒動以降、「もし相沢さんに求められたら?」と思ってはいたが、二人の関係上、裸になって愛し合ったり一緒にお風呂など有り得ないと思っていた。
「ゆうくん、また服の脱ぎ方忘れたの? 私が脱がせてあげる」
「待て、まだっ」
 あっと言う間に下着姿になった美汐は、胸を隠しながら祐一の服を剥ぎ取って行った。そこで何故か、脱がされる順序に体が動き、抵抗すると言うより、いつも踊っていたダンスのように自然に服が脱げた。
「ほら…… やっぱり覚えてた、私の脱がせ方」
 祐一の服を抱いて、笑顔のまま泣いている美汐。それは名雪の「ばんにゃ〜い」や「おいっちにゅ、おいっちにゅ」より軽快で、ごく自然な動作だった。
「どうして?」
「体が、覚えてたんだよ、ゆうくんっ」
 下着だけになった祐一の胸に、素肌の美汐が飛び込んで来る。そこで、今にも弾けそうな心臓の鼓動が伝わって来た。
「ふふ、変だよね? 私、ゆうくんに、ううん、相沢さんに見られてもいいようにして来たのに、いざとなったらこんなに震えて」
「怖いのか?」
「違うの、私なんかスタイルも悪いし、背も高くない。可愛くもないし、面白い事の一つも言えないっ、あんな、あんな綺麗な人達に絶対勝てないっ、グスッ、ねえ? ゆうくんは誰が好きなの? 美坂さんがいいの? それとも真琴? 舞さん? 佐祐理さん? 秋子様?」
 残念ながらそこに名雪ちゃんの名前は無かった。別れ話を聞いているのか、顔やスタイルでも名雪には負けていないと自信があるのかは謎だった。
「もういい、やめろよ」
 ここで美汐を拒否すれば、誰かと
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