37美汐、ゆうくん
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ンのように、喉が焼けるような感じがして咳き込むと、すぐに鼻血がでるような強壮感がした。
(これが香里の時にあれば……)
「また一緒にお風呂にも入ろうね」
「は?」
「だって、昔はずっとそうだったじゃない」
これから一晩掛けてヤリまくる予定の美汐さんと、今日は疲れたので眠りたい祐一クン。
「それは小学生の頃の話だろっ、俺達もう高校…」
「ううん、私達、夫婦なんだよ」
病んだ笑顔で祐一の頬に触れ、ニッコリ?と笑う美汐。祐一に取り憑いた魔物が、また一人。
「なあ、天野?」
「え、なあに、ゆうくん」
「俺、あいつらに追われてるんだ。もし、もしだぞ? 俺と二人で誰も来ない山奥か(N*Kも受信できない所)、遠い外国に逃げようって言ったらどうする?」
「うんっ、ゆうくんの行く所だったら、どこでもついてくよ」
その笑顔を見て、祐一の脳裏に「毒を持って毒を制す」と言う言葉が浮かんだとしても、誰も責められはしなかったろう。しかしこの場合「毒を食らわば皿まで」が適切と思われる。
『うふふ…… もう離さないよ、ゆうくん、これから一生、ずっと一緒にいるんだ』
祐一クンには怖いストーカー女が憑いてしまった、多分これから教室にまで付いてきて、別人の振りをして居座り、気の毒な犠牲者が二年の授業を受ける羽目になるのではないかと思われる。
「それでは婿殿、今後美汐を宜しくお願いします」
「はい」
祐一に一礼して帰ろうとしたお婆さんは、秋子に通帳を差し出した。
「秋子様、失礼とは思いますが、これから美汐を養って頂くのにお使い下さい、どうかこの子をお願い致します」
「いえ、こんな良いお嫁さんを頂くんですから受け取れません、それに結納金を出すのはこちらですよ、お気遣いなく」
祐一に暴力を振るい、闇堕ちした栞は諦め、姉である舞はまた空っぽになり、姉を名乗る佐祐理は実質レズ、香里や月宮真琴にはお引き取り願いたい秋子。
祐一の世話役には忠誠度も高く、家事の能力や妖狐としての知識や術にも申し分のない美汐が選ばれた。
「滅相もございません、何やらこの度の災厄は、人の世が滅ぶとお伺いしております。何卒この子も神域に同行させてやって下され、天野の血を一滴だけでも残して下され」
「そんな酷いことにはならないと思いますけど、用心のために美汐さんは同居してもらいますね。お金はお孫さんに渡して下さい、これから祐一さんと楽しく過ごせますように」
結構な金額が入った通帳とカードは美汐の手に渡った。これで手持ち金額が高い順は、栞、美汐、佐祐理、月宮真琴になった。他は祐一と同じく小遣い銭しか持っていない。
「いいの、お婆ちゃん? 私って殺されるはずじゃなかったの?」
「ああ、もう良い。お前は食われてもおらんかったし、不老不死になったとも聞いた。今度は逆じゃ
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