暁 〜小説投稿サイト〜
KANON 終わらない悪夢
36美汐の初体験
[15/15]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
………」
「でも、帰って来てくれたんだ、うれしいっ、夢みたいっ」
 以前の焦点の定まらない死んだような目ではなく、今度は逆に祐一以外は背景も真琴も、何も見えていない眼で見据える美汐。
 目の下に力が入った病んだ目は、目の下にクマと言うより、悪役線でも入っているように見えた。
(結局、天野もヤンデレだったんだ……)
 手首の傷や、今の凄まじい目付きから見ても、ヤンデレと表現する以外に無い美汐の表情。それは佐祐理が記録したバッケンレコードを更新し、最長不倒距離に到達した

 あゆちゃんのゆめのなか。
(おめでとう、美汐ちゃん)
 天使の人形の一部である、美汐の祐一も再会を喜び、祝福していた。
(でも再会しないほうが幸せだったかもしれないね)
 これから起こる悲惨な出来事を想像し、何の希望も支えも幸せもなく、そのまま消えて行ったほうが楽なのを思い、気の毒になる。
(でも、嫌になったら死ねるよ、大地と一体になって消えればいい、不滅じゃないからね)
 人間の弱い心を持ったまま、永遠に生きるのを強制せず、耐えられなくなった時には死ねる美汐。佐祐理や舞にはそれが与えられなかったらしい。

[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ