36美汐の初体験
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………」
「でも、帰って来てくれたんだ、うれしいっ、夢みたいっ」
以前の焦点の定まらない死んだような目ではなく、今度は逆に祐一以外は背景も真琴も、何も見えていない眼で見据える美汐。
目の下に力が入った病んだ目は、目の下にクマと言うより、悪役線でも入っているように見えた。
(結局、天野もヤンデレだったんだ……)
手首の傷や、今の凄まじい目付きから見ても、ヤンデレと表現する以外に無い美汐の表情。それは佐祐理が記録したバッケンレコードを更新し、最長不倒距離に到達した
あゆちゃんのゆめのなか。
(おめでとう、美汐ちゃん)
天使の人形の一部である、美汐の祐一も再会を喜び、祝福していた。
(でも再会しないほうが幸せだったかもしれないね)
これから起こる悲惨な出来事を想像し、何の希望も支えも幸せもなく、そのまま消えて行ったほうが楽なのを思い、気の毒になる。
(でも、嫌になったら死ねるよ、大地と一体になって消えればいい、不滅じゃないからね)
人間の弱い心を持ったまま、永遠に生きるのを強制せず、耐えられなくなった時には死ねる美汐。佐祐理や舞にはそれが与えられなかったらしい。
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