36美汐の初体験
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態に陥っているのに気付く者も出て来た。
(あれ? もしかして人類って滅ぼされんの? 逆に生き残れるのってアタシらだけ?)
里のババアとか、教団に預けている病気の妹とか、全部消されてしまいそうで怖くなる座古。
特に舞から聞こえる話の内容が嫌すぎて、佐祐理も秋子も全く否定していない。
「イザナギとかイザナミって何だよ? こんなご時世に聞くセリフじゃないだろ? リリスとか何もんだよっ?」
「お母様も言ってたわ「選ばれた巫女と聖母が方舟に乗り、次の世の母となる」って」
教団は信用していなくても、教主の予言は本当に当たってしまうので更に怖くなるが、妖狐の使い魔風情がそこまでできるとは考えられなかった。
「妖狐が災厄を持ってくるんじゃないのよ、いつも人間が何か悪さをして、天罰が振りかかるのよ、貴方ならよく知ってるでしょ」
「ああ……」
伝承でも、いつもどこかのマヌケが何か仕出かして、災厄が「宜しくニキー、ドサーー」と降りてくるのが普通である。
今回は何をしたのか、何かをさせられるのか考えてみた。
(あゆって奴を助けようとしたのに、妹と一緒で病院たらい回しで、金にならなくなったら世話する奴もいないのに「退院しろ」って言われたんだろうな。クソ役人も「あれもできません、これもできません、そんなことできるはずがありません」って言いやがって、自分の仕事なのにほっぽり出して門前払いとかやりやがったんだろうな、まああいつらは一回死んどけ)
命のローソクのような物の残りが存在しない、あの場で死んでいたはずの人物を無理に生かしていた代償。
他人の命を削って下からローソクを継ぎ足すような反則技の代償として、命を奪われる存在は、生きていても仕方がない腐った人物が選ばれた。
(あれ? 何でアタシ、こんなこと知ってるんだ?)
天使の人形側の思考を知り、災厄のシステムも利用して口減らしが行われ、低能やクズの削除もされる計画の一部を見せられ、情報源が分からず混乱する。
(まさか、アタシの中の?)
(そうだ、せっかく祐一と一つになって暮らしていたのに、お前が邪魔をした。まあ佐祐理の言葉だから聞いてやるが、お前にはこれから碌でもない物を沢山見せてやる)
舞の使い魔に体の中から話しかけられゾッとしたが、早くも樹の精霊の効果で自分が何かのネットワークに接続され、粘菌、根の周りを構成する菌類、樹木、草、色々な物の記憶や、聞こえた音や思考を耳にしているのにも気付き、記録するためメモに飛びついた。
「アタシはもう、何かに繋がれてるみたいだ、自分が知っているはずのない事まで聞こえてる」
「え?」
汚物を下水に流すような大規模な水害は「二度としない」と聖書にも書かれたので実行されなかったが、疫病、火山噴火、地震、隕石の落下、大津波を起こせる島や山の崩壊、様
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