【止まり木にまどろむ二羽の小鳥】
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、ネジは日向敷地内で従妹にお姫様抱っこされる耐え難い恥ずかしみを覚え、しかしどこかでされてもみたい気にもなって余計頭痛が激しくなってきてしまう。
「───はい、ネジ兄さん。お布団の準備出来ました、今すぐ横になって下さい。...あ、後ろの髪解いておかないと」
自分でやりますと言ったが、ヒナタが率先して布団を敷いてくれて、更には手際良く後ろ髪の紐を解かれるネジ。
「やっぱり、ネジ兄さんの髪はいつだってサラサラで綺麗だね……」
「そ、それは……あなたの方でしょうに」
「ふふ、お世辞でも嬉しい。──私、兄さんみたいな髪にしたかったから、伸ばすようになったんだよ」
言いながらヒナタは、ネジの指通り滑らかな髪をうっとりと何度も撫ぜやった。
ネジにはそれがくすぐったくて、しかしやめて下さいともいえず、黙ってされるがままになる。
「……あ、ごめんなさい、こんな事してる場合じゃないよねっ。休んで下さい、ネジ兄さん」
「え、あ、はい……」
ヒナタに促されネジは遠慮がちに布団に入って横になり、掛け布団を口元まで引き上げ、どこか恥ずかしげだった。
「風邪かな...、それとも疲れが抜けきってない事から来る頭痛……? ネジ兄さん、長期任務明けのこの数日間、ちゃんと休みました?」
「休み...ましたよ。瞑想に耽ったり、ちょっとした所用で出掛けたり……、軽く自主トレーニングしたりしてました」
「───普段通りに過ごしただけで、しっかり休んでるようには思えないけど」
ヒナタは布団の横に正座してネジを見下ろしたまま、呆れたように溜め息をつく。
「任務の無い普段なら修行に励みますから、これでも休んだ方ですよ」
「ネジ兄さんはストイック過ぎるよ……。もう少し自分を甘やかしてあげたら? それこそ一日中、寝て過ごすとか」
「そういう訳にはいきません、甘えから油断が生じるんです。常日頃から自身に厳しくあらなければ───」
「上忍でただでさえ長期任務が多いのに、それじゃあ気が休まらないじゃない...! ちゃんと身体を休めるのも仕事の内だって、教わったはずだよ?」
「それは……そうですが、一日中寝て過ごすなど、大怪我して入院でもしない限り、性に合わないんですよ...」
きまりが悪そうに、ヒナタから少し顔を逸らすネジ。
「疲れが蓄積して任務を続けたらいつかは身体壊しちゃうのに、それが原因で大怪我して入院でもしないとちゃんと休めないって事? ネジ兄さん、それ本末転倒だと思うよ……。死んじゃったりしたら、それこそ取り返しがつかないんですからね! とにかく今日は……ううん、数日間しっかり身体を休めてもらいます。おフトンから出るの、ほとんど許しませんからそのつもり
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