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第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#46
FAREWELL CAUSATIONY〜Hold Me In The Stormy〜
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は逆に、『己自身』に向かった。
 散開して少女の躰を覆う様相は繭というより厳粛な(ひつぎ) を想わせる、
だが棺とは本来別離(わかれ)のそれではなく新たなる存在への「復活」を意味する。
 今までの自分を棄て去る勇気、ソレは新たなる「段階」へと
進むために欠くべからぬ重大な要素。
 異邦の刃を心臓に突き立てる、
屍人に身を千切られながらも脳天を撃つ、
発想を四次元的に、そしてそれほどの覚悟が無ければ、
真の能力(チカラ)は目醒めたりしない。
 もうここまでイケばお解りだろう。
“真・灼眼” による超解析能力、ソレを少女は敵ではなく己自身に向けた。
 全身傷だらけ、左腕は役に立たない、贄殿遮那も使えない、
焔儀も法儀もスベテ『正 義(ジャスティス)』には通用しない。
 でもまだ何か無いのか?  本当に出来る事は何も無いのか?
 自分はまだ生きている、生かされている、
例え絶対の死が目前に迫っていたとしても、
終わりのその時まで手は動く、足は動く、考える事だって幾らでも出来る。
 なら考えろ、(かんが) えろ、(かんが) えろ! 
 自分の死が即承太郎の死へと繋がる、玉砕すら許されない。
 だったら生き残れ! 
 どんな手を使っても、何が何でも、例え死んでも生き残れッ!
 絶対何か有る筈だ。
 アラストールはその身を犠牲にして護ってくれた、
承太郎は片腕を失っても迎えに来てくれた、
何も無い筈が無い、彼らの行動は無駄なんかじゃない!






『神』は、乗り越えられる 『運命』 しか与えないッ!





 硬質化した炎髪が、形容(カタチ)を成した。
 伸長して包み込んだ髪は解けない、
逆に一本の例外もなく少女の躰、その至る箇所に纏わり、
形成を阻害する衣服は取り込まれ、
超絶を露わに、その勇姿(スガタ)が顕在する。








   ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッ!!
  ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッッッ!!!!
 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッッッッッ!!!!!!






 その全貌は、甲冑を纏った天使そのものだった。
 基幹(ベース)は、 『白 銀 の 戦 車(シルバー・チャリオッツ)』 と同じ、
マクシミリアン式フリューテッドアーマー。
 だが動きが鈍ってしまうため完全武装(フルアーマー)とはいかず、
頭部は開け、両腕部は半身、ベルトライン下部も大腿を覗かせながら
法衣(ローブ)状に広がっている。
 (ヘルム) はサークレット型の目当て(ヴァイザー)のみ、
肩 甲(ボールドロン)補 強 板(ガルドブレイス)は堅牢だが、
|上 腕 甲《アッパーカノン
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