第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#46
FAREWELL CAUSATIONY〜Hold Me In The Stormy〜
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戦形になる。
触発は数秒後、決着はその半分に充たないであろう。
『正 義』 は疎かソラトにすら、
まともな交戦では手も足も出なかったのだから。
絶体絶命、嘗ての未来、一人の少年に全ての希望を託し、
壮絶に散って逝った勇女のように、
少女の躰が飛散するのは時間の問題。
承太郎は動けない、灼眼は役に立たない、
フレイムヘイズの能力は 『正 義』 には通用しない。
何も出来ない、どうしようもない、抜き差しなど成りよう筈がない、
どれだけ絶望的な言葉を並べ立てても尚足りない状況。
にも関わらず少女は、ドコを視ている?
背後に死霊を引き連れて強襲するソラトの外貌?
否、気持ちは解るが意識を割くべきは背後のスタンドへ、だろう。
ソラトの攻撃は運が良ければ防げるが
『正 義』 の能力は “防げない” のだ。
全身傷だらけのこの状態では射程圏内に入った瞬間に暗孔だらけ、
後は “良くて” 即死に、最悪仲間の首を自らの手で刎ね続けるコトになる。
にも関わらず何故ソラトを、“ソラトだけを” 視る?
アラストールの犠牲を無駄にする気か?
承太郎の想いは伝わらなかったのか?
イヤ、もしかして、“我々が想像する以上に受け継いでいるとしたら”
二人を置き去りにしたのは情に絆されたのでも犠牲に酔ったのでもなく、
何が何でも護るという強い決意の許に在るとしたなら……
何故なら見つめているのは、その奥の構成まで読み取ろうと
凝視しているのは、ソラトの装甲。
相手の姿態を移し取るのは “魔術師” の得意手、
その基幹を成す情報分析に於いて、“真・灼眼” ほど相性の良い能力も他にない。
爆発と空気、光と鏡、罪と呪い、スタンド能力の例を出すまでもなく
思考、推考、選考、補考、あらゆる演算活動が
スベテ同時進行で行われソレはすぐさま実行に移される。
保留、先延ばしとは対極に位置する究極の速攻、
最早行き着く先は 「予知」 の領域に在ると云っても過言ではない。
無論ソレを攻撃に結びつけても意味を成さない、
だが今の少女の演算がその事実を見落とすコトは有り得ない。
ならば何に使う? 極限にまで畢竟したその叡智、
破壊のために遣うのでなければナニに遣う?
そんなコトは決まってる――!
“炎髪” が一度、ザワめいた。
運命の兆しで有るように、神の啓示で在るように。
煌きを放つ紅の束が、炎の絹糸が如き烈しさと滑らかさを相克して拡散し伸びる。
DIOの幽血技に酷似した現象だが受ける印象はまるで対極、
そして前者は相手に向かって伸び身も心もズタズタに蝕むが
少女の炎髪
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