第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#46
FAREWELL CAUSATIONY〜Hold Me In The Stormy〜
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ない。
それが内面的な力の強化なら尚更のコト、
増大した威力がそっくりそのまま己に返ってくる。
無意味どころか逆効果、これまで遥か格上の相手を倒してきたこの切り札も、
今回ばかりは能力の次元が違うため己を馘する以外術を失う。
それはシャナに限らずこの戦場に在るスベテの者に云える事。
何とか対抗出来そうなのは時を止められる承太郎か、
波紋の極意を究めたエリザベスくらいのモノだ。
少女の奇妙な落ち着きは、
この能力の発現を予感しての事だったのだろうか?
それが無意識であったにしろならば余りにも無謀な、
想いに浮かされて血迷ったとしか言い様がない。
全身傷だらけのこの状態で、ティリエルが能力を発動させる前に絶技で秒殺する?
追い縋るソラトを置き去りにして?
そんな事は吸血鬼のEXTRACTで充たされた血水泥の海で、
対岸に泳ぎつくまで人間のままでいろと言うのと同じコトだ。
『正義』は力で押さえられない、だから最後に勝利する、
その名を冠するスタンドもまた斯くの如し。
「――ッ!」
気でも違ったのか? 凄まじい炎気を星の帯のように捲き散らしながら
転進してきた者に、紅世の美少女が酷烈な笑みを浮かべた。
まぁ何か小細工でも思いついたのかもしれないが逃げないのは良い事だ。
それよりも僥倖は、最も帰還を恐れていたアノ男が隻腕と成り果てていたコト。
イルヤンカかシュドナイか、(彼らが敗れたとは考え難いが)
一番厄介な男によく深手を負わせてくれた。
コレで心置きなく “生き人形” に出来る。
敵側全員を屠っても、最強のアノ男だけは殺さない。
“天目一個” をも超えるミステスとして、精々此方の手駒として働いてもらおう。
いつまでもいつまでも、その歯車がズタボロに壊れるまで、
その最初の犠牲者は――!
霧がザワめき無数の死霊へと形容を成したスタンドが前方へと殺到する、
最早実力の差は歴然、ソラトを切り込ませ様子を見る必要もない。
策が有るなら好きなだけ足掻いてみれば良い、
コチラは正々堂々、真正面から打ち破るのみ。
『正義』が姦計に敗れた例なく、邪道が 『正道』 に打ち勝った様 なし!
『LUAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
―――――――――――――――ッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!』
促されずとも血染めの獅子は先陣を切る、
先刻からの燃え滾る激気を初合以降抑圧され続けた、
狂おしいまでのもどかしさ、ソレが冥獄の如き爆熱の奔流を体内に吹き荒れさせた。
相対するスピード差のため結果ソラトが死霊を引き連れる
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