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英雄伝説〜灰の軌跡〜
第1話
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すがはメンフィル帝国といった所ね。」

「世辞は不要だ。仮に俺がその取引内容に応えたとしたら、貴様は何を見返りにするつもりだ。」

「それは今後ユミルを含めたエレボニアと接しているメンフィル帝国領に貴族連合に手を出させない事よ。これでも私は”貴族連合”の”裏の協力者”として”主宰”であるカイエン公に重用されている身でね。カイエン公も私の要請には基本応えてくれるし、いざとなれば暗示で貴族連合にメンフィル帝国領に手を出させない事を命じさせるわ。勿論内戦に関わったリィン君も内戦が終結―――いえ、”蒼”と”灰”の決戦が終わった後五体満足でそちらに帰す事を約束するわ。”貴族派”と”革新派”、どちらが勝ってもね。」

「……………」

「勝手なことを………!」

「お兄様………」

(そうまでして、何で”結社”はリィンを内戦に関わらせたがるんだ……?)

「……その口ぶりですと貴女達”結社”はエレボニアの内戦の勝敗に興味はないのですか?」

クロチルダの説明を聞いたリィンは真剣な表情で黙り込み、エリゼは怒りの表情でクロチルダを睨み、セレーネは心配そうな表情でリィンを見つめ、トヴァルは厳しい表情で考え込み、ある事が気になったペテレーネは真剣な表情でクロチルダに問いかけた。

「ええ、我々”結社”の”幻焔計画”の目的の一つは”蒼”と”灰”の勝負の”舞台”を導く事。”蒼”と”灰”の勝敗以外は興味はないとカイエン公にも伝えて了承してもらっているわ。………内戦が起こっているエレボニアの領地と接しているメンフィルの民達の安全を確保できる事もそうだけど他国の貴族であるリィン君をエレボニアの内戦に関わらせた事で、エレボニアに対して有利な交渉もできるし、更に”騎神”も一体手に入る事になるわ。メンフィルにとっても損ではない話でしょう?」

「…………………」

クロチルダに問いかけられたリウイは少しの間目を閉じて黙り込んでいたがやがて目を見開いて口を開いた。



「―――随分と舐められたものだな。」

「え…………」

リウイの言葉を聞いたクロチルダは呆け

「メンフィルは”光と闇の共存”を謳う国。当然”闇”の勢力―――”結社”のような裏社会に生きる者達とも時には協力し、互いの利益の為に利用し合う事もある。だが……民達の身の安全や国の益と引き換えに同胞を―――ましてやまだ成人もしていない同胞を裏切り、敵に売り渡すような真似をする程落ちぶれてはいないッ!」

「………ッ!?」

膨大な覇気をさらけ出したリウイの覇気を受け、幻影であるにも関わらず、リウイの覇気に呑まれて息を呑んだ。

「陛下………」

「リウイ様……」

一方その様子を見守っていたリィンは呆け、ペテレーネは微笑んだ。

「―――失せろ。
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