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真剣で私に恋しなさい!S〜それでも世界は回ってる〜
7部分:第五話 竜舌蘭を守れ
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第五話です
ではどうぞ〜
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第五話 竜舌蘭を守れ
それに初め気付いたのはキャップだった。いつもの秘密基地の中に一つだけ、大きな草があった。
「なあ、この草だけなんかおかしくねえか?」
「あー、言われてみればそうかも」
キャップの言葉にワン子も賛同する。確かに他の草に比べて倍は大きい。一番大きいガクトよりも大きいから、3メートルを超える。
「先月はこんなに長くなかったよね……?」
「ということは、1ヶ月に1メートル伸びたのか?」
いくら雑草といっても育つペースが異常過ぎる。一体どんな植物か気になるところだ。
「成長期なんだろ、この雑草は」
「オレ様もこれくらい大きくなりたいぜ」
「ハルクにでもなる気か?ガクトは」
そんな他愛もない話でこの日は終わった。
しかし、少し経ったある日
「ねえちょっと、この草5メートル超えてるよ!?」
思わず叫んでしまうモロ。その草は5メートルを越え、ちょっとした雨宿りができるようになっていた。
それを余所に俺達はこの草についての談義を始めた。
「実は生き物じゃね」
ガクトの何気ない一言でみんなの視線が一斉にガクトに集中する。
「ある日ワン子の姿が消えた……するとその木はワン子の身長分伸びていた……」
「怖いでしょうが!」
怪談話にそういうのあるよな。震えるワン子をよそにキャップはそれに便乗する。
「ある日ガクトが消えた……次の日探してみると、その茎にはガクトの顔が……」
「キャー!気持ち悪いわ!」
ワン子は俺とモモの後ろに隠れてしまった。横を見ると、モモは少し震えているが、なんとか堪えていた。
そこへガクトの母親である島津麗子さんがガクトを怒鳴りながらやって来た。大和が代表して話すと、この草が『竜舌蘭』という花だということがわかった。
「成る程、これがセンチュリー・プラントという花か」
「……あんた本当に小学生かい?大和ちゃん」
「麗子さんがもっと若かったら俺が口説いてたぜ!」
出たよ……ニヒルキャラ。そんな大和をスルーして、俺が説明を引き継いだ。
「だとすると、鉄爺が詳しいだろうな」
「よし、呼んでみるか……ボケはじめのブルセラジジイ!!!!!!」
「モモ!お前いい度胸しとるのう!!」
「一瞬で来たよ……この一族は全く……」
「はぁ……」
モロの言葉に同意するように俺は溜め息を吐いた。これに比べたら俺はまだノーマルだと思うが……
「「「「「「「いや、それはない」
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