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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第七十七話 私たちはとことん抗って見せます!あなたの書いた筋書き(シナリオ)そして運命に逆らうことができるのならば!!
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太陽の光を隠す。その日陰に隠れる周りの家々は迷惑するもんです。」
「兵員170万人余。艦艇13500隻は同盟軍一個艦隊としても質量ともに十分すぎるからな。それを嫌った軍の連中が自滅を誘おうとしているのかもしれん。」
シュタインメッツが沈痛な表情で言った。
「私たちを前線に送り出し、帝国軍と対峙させ双方を消耗させる。弱ったところを無傷の主力艦隊が出てきて帝国軍を痛打する、という事でしょうか?」
アルフレートが皆にそう尋ねたが、誰も何も言わなかったところを見ると、その予測はある程度は当たっていたに違いなかった。


 誰もが自軍に愛着を持っている。できるだけ損傷を少なくして勝ちたいというのは当然の思いである。だからこそ、新参の第十六艦隊が表向き栄えある要塞駐留艦隊として赴くと発表されても誰も何も言わなかったわけであった。何しろ「イーリス作戦」は既定の事実としてすでに認識されていたのだから。この場合主役は最前線にあらず、迎撃作戦に従事する側なのだ。


「・・・そうはさせない。」
ウィトゲンシュティン中将が歯をぎりっとかみしめた。
「たとえ私たちを自滅に追い込む目的だとしても、私たちは前に進まなくてはならない。私たちが負ければ・・・・今同盟に住んでいる沢山の家族が一層の苦しい思いをすることになるのだから。」
皆が真剣にうなずく。ウィトゲンシュティン中将の思いが――帝都における御家再興の思いを抱いていたにせよ――ただの一個人のものでないことはここにいる全員がわかっていた。

 帝国からの亡命者の扱いについて、アルフレートやカロリーネ皇女殿下は軍務の傍ら調べたことがあった。すると、とんでもないことがわかってきた。原作でユリアン少年が母方の祖母からひどい扱いを受けたこと、今この第十三艦隊にいるシェーンコップ大佐が原作で語った入国管理官の冷たい眼のこと、帝国からの亡命者の扱いについては、その程度の物では到底済まされなかったのだ。
 まず、第一に高等学校に進学できるのは同盟において3代の市民権を得ている者に限られている。これについては法律には明記されていないが、学校連合会という組織「学連」が定めている半ば公然とした決りだった。帝国からの亡命者はまずその時点ではじかれてしまう。この規定は学業だけでなく、企業における就職においても影響する。実際職を得ることができず、パートアルバイトで食いつなぎ、貧困化していく帝国からの亡命者は後を絶たない。義務教育である小学校中学校においても、帝国からの亡命者は授業料の3割を負担しなくてはならない。自由惑星同盟市民であれば1割の負担で済むところを、である。これとてもずいぶん差が縮まってきたのではあるが。学校においても帝国からの亡命者の息子、娘を差別するいじめは後を絶たないが、教師や保護者委員会はそうしたことに対し
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