34パーティー
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している店内に出さない品で、大した値段でも無いが、手にすることができる人物は非常に限られた極上の品で、一般人ならデパ地下前で発売前から二、三日並び、買えてもオークションで転売したほうが遥かに効率が良いジュースだった。
(許して、もう許して……)
ソファーから転げ落ちそうになり、喉の中と舌の上の味蕾を焼きつくされた栞。もう下層国民の生活には戻れず、舌にピアスでもされたようになってチェーンで繋がれ、上級国民様に付き従う下僕にされてしまった。
さらに半笑いで給餌?するメイド(被害妄想)が、外国製のパインジュースを注いだ。
(これも間違いなくご禁制の品……)
グラム数の末端価格では、ウランや金より高いと思われるパインジュース(間違い)、それを栞の心は拒否したが、腕が勝手に紙コップを口に運び、飲み込ませようとしていた。
(いやっ、やめ、やめてっ、それだけは許してっ)
祐一のオットセイ君を咥えさせられ、口の中に出されて飲まされそうになった時も、ここまで抵抗しなかった栞。震える舌はジュースを迎えるように伸び、口の中に外国製のジュースを流しこんだ。
(いやああああああっ!)
口の中を外国のパイナップルにレイプされてしまった栞は、「黒ひげ危機一発」のゲームの人形のように、パインになった体から芯と頭が飛んで、その辺の床に転げ落ちた。
秋子も泣いていた、月宮真琴も泣いていた。祐一も泣いていた、美汐も泣いていた、舞も泣いていた、例の三人も「オレンジとパインって麻薬だったんだね」と抱き合いながら泣いていた。
その間、佐祐理は栞の百面相を見てクスクスと笑っていたが、決して嘲笑っていたわけでは無く、表情の変化が面白すぎたからである。
(下拵えはこれぐらいで宜しいかな?)
これらは全て、爺やが仕込んだ罠で、唸るほど金を持っているにも関わらず、金の使い方も知らない妖狐の小娘を落とす策略で、各家が高級食材を献上しても大して料理の仕方も知らず「石をパンに変える魔法」で調理してしまい、せいぜい焼いたり蒸したりする程度しかせず下拵えも適当、小麦粉と豚肉と野菜を肉まんに変える程度の力で、数千年にも及ぶ人類の英知や香辛料の歴史に並んだと思い込んでいる妖狐に、一泡吹かせてやろうと仕込んだ劇薬であった。もしこの後「これはどこで買えるんですか?」と病んだ目で秋子に言わせれば勝ちである。
「お次はお嬢様のお夕食にお出しするはずだったサーロインステーキでございます。人数分ご用意しておりますが、お口に合うかどうか?」
最高級の熟成肉をシェフに出させ、トリミングして人数分以上切り分けて持って来たので、これで陥落しない人類はいない。
元はイヌ科の生き物なのでシャピアリンステーキは控えたが、焼き上がりを持ってくるのではなく、鉄の厚さ10ミリのホットプレートで焼き、度
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