34パーティー
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司で今まで食べていたのは偽物なのだと感じて、カッパ寿司の地下で寿司を握らされているカッパの子供のように泣いていた。
辛いものは人類の敵だと思っていたが、高級なわさびは辛くないのか、自分の体が強くなって山葵に耐性ができたのか、適量の辛さが心地よかった。
祐一も泣いていた、美汐も泣いていた、舞お姉様も真顔だが体が泣いて涙だけ流していた。
佐祐理お姉様の他にも一人お嬢様がいたが、生臭物は食べさせてもらえない人で、今も野菜スティックを齧っている草食動物。きっと心では泣いているに違いない、人類にこんな格差があるのは許せない栞は、ロックで革命を起こしたくなった。
「やぁっ、辛いっ、こんなの食べられないっ」
違う意味で口が子供な人物が、食べてはいけない大人の快楽を口にして、あろうことか特上寿司を吐き出してティッシュに包んで、お子様らしくジュースで口の中の味を甘く塗り替える、地獄のような光景を目撃してしまった。
「真琴、貴方はわさびを食べられませんから、お寿司はやめておきなさい、ほら、ピザがありますよ」
この中にも裏切り者がいた。何かの会合で本当の寿司を何度か食ったことがある秋子。
ちょっとしたパーティーや、シェフが休みの日にディナー前に軽くお昼に摘んでしまえる佐祐理。
そして特上寿司をたった今、目の前で生ゴミに変えてしまった純血の妖狐。
栞は怒りに震えてこのブルジョアどもにプロレタリアートの赤い鉄の槌と鎌を叩き込んでやろうかと思ったが、こちらの世界でも上級市民様の純血の妖狐二人には手出しができず、普通の世界での上級国民様は、この寿司を食べさせてくれたお姉さま本人なので、とりあえず通り道にいた祐一の後頭部にパンチを叩き込み、怒りの鉾を鎮めた。
「いたっ!」
とりあえず昏倒させたので寿司を食う口が一つ減り、ライバルが減った。
相変わらず泣きながら食っている二人がいたが、幸福の絶頂であの世に送ってやるか、全てを堪能させてから倒そうか迷っていると、爺やさんが何か用意を始めた。
「急でしたので自家製ではありませんが、百貨店の地下で買って参りました、ローストビーフと焼豚です、お試しになりますか?」
すでに切り分けられて紙皿に載せられて行くロースト何とか、栞はそんな物はテレビで芸能人が口にする所しか見たことが無く、現実には存在しない架空の食べ物だと思っていた。
それが四枚も乗った皿が、メイドによって自分の前に給餌?され、「これは罠だ!」と第六感が悲鳴を上げていた。だが愚かな栞は箸を出してロースト何とかを口に運んでしまった、
(うわああああああああっ!)
何か、力石にトリプルクロスのアッパーでも食らったようにふっ飛ばされ、ソファーに倒れて数秒間意識を失った栞。
口の中で革命が起こった、プロレタリア革命でもなく、宗教革命でも
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