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機動戦士ガンダム SEED C.E71 連合兵戦記(仮)
第10話 猛攻
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それは開戦以来の初めての経験であった。

「もう駄目だ!」
部下の一人が悲鳴を上げた。

その直後、爆発が付近の廃墟に立ち上った。

「爆撃!?」
「…始まったか……!」


それは、予定されていた地球連合空軍戦略爆撃部隊の空爆の始まりを告げるものであった。


「爆撃だと!ナチュラルめ味方を攻撃する気か…」
目の前で友軍の車両が爆弾を受けて爆砕したのを見てカッセルは、驚愕した。
この時彼は、再編成を終えた旗下の部隊と共に既に市内のかなりの部分にまで突入していた。
彼のザウートの手前のコンクリートの地面に爆弾が落ち、大穴が開いた。

その横でザフト軍に鹵獲され、オリーブドラブに再塗装されたユーラシア連邦製の装甲車が爆弾の直撃を受けて爆砕する。
巻き起こる紅蓮の炎が虫を食らうカメレオンの舌の様に周囲の兵士を呑み込み、爆風の衝撃で跳ね飛ばされたザフト兵がコンクリートの壁に激突した。

「総員!市外へ退避しろ!急げ!」

カッセルは、残存する指揮下の兵士に撤退命令を下した。
しかし郊外すら安全地帯と言えるのか微妙なところであった。
カッセルとてそれを十分に認識していた。だが、現状でそれ以外、部下を安心させる方法は彼の選択肢には残されていなかった。

「空爆!?」
空爆…それもザフト側航空兵力の迎撃範囲外である高高度からの絨毯爆撃であった。

ディンやインフェストゥス等現在、のザフト軍の航空戦力は、殆どが制空権確保、地上部隊支援を主眼に設計されており、地球連合軍の保有する高高度を飛行する戦略爆撃機を攻撃することは出来なかった。
NJ以前に、これらの戦略爆撃機等を撃墜するのに有効とされた高高度対空ミサイル等は、NJによってその信頼性を著しく低下させていた。
この時期の地球連合軍は、地上のザフトの手の届かない上空から爆撃を行う戦術で、ザフトのMSを主体とする侵攻作戦に対抗しようとしていた。
命中率の低さは、予め爆撃機が爆撃する地点を設定し、爆撃機の数と搭載爆弾の数を限界まで増やすことで、カバーする。

ハンスの部隊が廃墟と化した都市に陣地を構築していたのも、ザフト軍の部隊をこの近辺になるべく足止めするという目的があったのである。
ハンスの部隊だけでなく、この近辺の撤退作戦に参加した部隊は、空を飛ぶ戦闘機部隊や戦闘爆撃機部隊、攻撃ヘリ部隊から機甲師団まで、その為に活動していた。

そして、ハンスが撤退する時間の設定とその準備を部下に整えさせていたのも、友軍の行うこの爆弾の豪雨に巻き込まれることを避ける為のものだった。
ザフト軍にユーラシア連邦の戦車師団が大損害を受けた等、多大な被害を受け、多くの都市や拠点を失ったイベリア半島での戦線で初めて使用されたこの戦術は、戦闘爆撃機
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