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機動戦士ガンダム SEED C.E71 連合兵戦記(仮)
第10話 猛攻
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る部下に向かった。
「…」
横たわっていた部下、マックス軍曹は腹部から出血しており、助からないのは誰の眼にも明らかだった。
彼は、撤退時に部下を庇った際、爆弾の破片を腹部に受け重傷を負ったのであった。
「マックス、死ぬな!」ハンスは、思わず叫んでいた。
「隊長、すみません畜生!!!モビルスーツさえ モビルスーツさえ俺達にもあれば…」
間もなく彼は、静かに事切れた。
「くっ…!!」
モビルスーツさえあれば……その言葉は、現在の地球連合兵士の心を代弁したものであった。
こちらにもモビルスーツがあれば、数で劣るザフトには地球連合は決して負けない………
「この借りは、必ず返す!」
ハンスは、拳を握り、怒りに燃える東洋の怪物…赤鬼の様に顔を真っ赤に染め、唇を噛み締めた。
裂けた唇から赤い血がポタポタと零れ落ちた。
それを見た部下達は声も上げることが出来なかった。
その遥か背後では、ザフトがいる都市に向けて空爆が行われており、爆撃の炎が都市全体を覆い尽くさんとしていた。
オレンジの炎が天を焦がし、辺りを不気味に照らし出している。
ザフトも無用な損害を被ってまで半壊した部隊を追撃する愚を犯したくないのか、
残存部隊を追撃してくる気配はなかった。
その遥か高空で、その単調で退屈な任務を終えた爆撃機部隊は、地上の惨劇を全く気にも留めず、空になった弾薬庫の蓋を閉じた。
そして今までの任務と同様の予定通りに猛禽の嘴に似た鋭角的な機首を上にあげ、高度を稼ぎつつ、
勝利の旋回を雲一つ存在しない蒼穹に刻みながら、着陸地であるグリーンランドの空軍基地への帰路についた。
このヨーロッパ戦線の片隅で行われた撤退支援作戦は、グリーンランド ヘブンズベース基地に付属する飛行場より発進した爆撃部隊と第22機甲兵中隊を初めとする殿部隊の奮戦もあって主力の撤退に成功すると共にザフト軍に打撃を与えるという地球連合側の戦略的勝利に終わった。
だがそれは、将兵の祝杯の打ち鳴らされる音と軍楽隊の音楽が高らかに鳴り響く様な華々しい勝利とは程遠いものであった。
なぜならば、その為に払われた地球連合軍の将兵の犠牲は、敗軍であるザフトよりも甚大なものだったからである。
この作戦に従事した部隊は、いずれも壊滅的打撃を蒙り、第22機甲兵中隊も、約半数の兵員を失い、事実上の全滅を喫した。
だが、この損害ですら当時の地球連合軍の機甲兵部隊の平均損耗率から考えれば、善戦した方であったのである。
比較としてこの20日前にイベリア半島 マドリード近郊で行われたエブロ川防衛戦で、戦車師団の支援の為に出撃したユーラシア連邦陸軍の機甲兵大隊、グティ380機の内無事に帰投できたのは、15名、パワードスーツを着脱して脱
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