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機動戦士ガンダム SEED C.E71 連合兵戦記(仮)
第10話 猛攻
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中だったハンスは、偵察隊からシグーが1機だけで突入してくるという報告と、その直後にゲーレン中尉の部隊が迎撃に出たという報告を受けていただけで、その後の戦闘の結果は、まだ知らなかったのである。

敵を撃墜するのは、無理だろうが、短時間で撃破されることはまず無い…そう彼は考えていた。
だが、同時に彼は、戦場に絶対などというものは無いということを彼は知っていた。

そしてその考えの正しさは、今この時実証されたのである。

「…ゲーレン中尉の第1特別防空隊は戦力の過半数を喪失、ゲーレン中尉は戦死したとのことです。」
「…」

ヴォルフラム・ゲーレン中尉、大西洋連邦軍が残存部隊を再編してユーラシアの戦場で臨時編成した第1特別防空隊の指揮官となっていたこの男は、整った顔立ちと目の覚めるような金髪が特徴的で、任務以外の時も、共に酒場に繰り出したり、トランプゲームを楽しんだこともある掛け替えのない戦友の一人であった。
そしてたった今、彼は、死者の列にその名を連ねた。

深い悲しみがハンスの心を一瞬支配した。しかし死者を弔うのは、戦いが終わってからである。
兵士として訓練を受けたハンスは、戦友を突如として喪失した悲しみに沈むよりも、戦友の敵を討つことを選択した。

「!!短期間にゲーレンの部隊を壊滅させるとは…奴はエースパイロットだな」
ハンスは直感した。この敵は、先程までとは違う、都市に仕掛けられたトラップや潜伏した歩兵等では対処できる相手ではないと…


「そろそろ潮時かもしれんな…」
ハンスは、ゴライアスの正面モニターのタイマーの時刻を見ると、部隊の脚である輸送トラック部隊に撤退の準備を命じた。
これで、彼が撤退命令を下せば、いつでも脱出が出来るようになるはずであった。
古今東西の歴史をひも解いても、戦争で最も損害を出すのは、撤退戦の時である。

このことは、歴史が記録される以前の石器時代の人骨からも判明していることであった。
いかに壊走ではなく、部隊を統制と戦闘能力を維持した状態で退却させるかは、部隊を率いる指揮官の優秀さに掛かっていた。

「どうしますか。隊長!」
「…トゥームストン≠ナいく。まず、その為には、12地区に誘い込む」
「…やってくれるな、ディエゴ曹長」
ディエゴ曹長の率いる機甲兵部隊は、中隊内では、指揮官であるハンスの部隊に匹敵する技量を持つ小隊であった。

「やってやりますよ!隊長殿!」
ディエゴ曹長は、笑顔で答える。
まるで、彼の好きなチームが出るベースボールの試合を観戦しに行くときの様に。

先程の戦闘で、市内の下水道を利用して郊外に展開していたザフト軍の車両部隊を襲撃、大損害を与えて帰還した彼の機甲歩兵部隊は、ハンスの部隊とは別の地下の補給施設で補
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